トランス女性の悩み「体型をカバーしたい」「女性らしいラインに見せたい」という想いから、オーバーサイズの服を選ぶことが多いかもしれません。
オーバーサイズの服は、気になる部分をふんわりと隠してくれる心強い味方ですよね。
特に、肩幅や筋肉質な体型などトランスジェンダー女性が気にしやすい部分をカバーするのに役立つと感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし、その一方で「オーバーサイズの服を着ると、かえって全体が大きく見えてしまう」「ただ太っているように見えて女性らしさから遠ざかる気がする」といった悩みを抱えていませんか?
この記事では、
1.なぜオーバーサイズの服で太って見えてしまうのか?
2.トランス女性特有の骨格・筋肉の悩み
について、詳しく解説していきます。
前回、MAIのコメントによる記事はこちらでした!
なぜオーバーサイズの服で太って見えてしまうのか?
まず、なぜ体型カバーのはずのオーバーサイズの服が逆に太って見せてしまうことがあるのでしょうか?主な原因は3つ考えられます。
1. 体のラインが完全に隠れてしまう
(画像提供:NAO 曰く「13年前。今見ると微妙過ぎるファッション…」)
オーバーサイズの服は体の凹凸を拾わないのがメリットですが、それが裏目に出ることがあります。特に、ウエストのような体の中で比較的細い部分まで隠してしまうと服の一番幅が広い部分がそのままその人の体の幅であるかのように見えます。つまり、メリハリがなくなり全体的に「大きなかたまり」のような印象を与えてしまいます。
2. 素材やシルエットがボリューム感を強調してしまう
(画像提供:NAO 曰く「自分でも同じ人とは思えません(笑)」)
服の素材やシルエットも大きく影響します。例えば、ハリのある硬い素材や厚手の素材(スウェット、目の詰まったニットなど)は体から浮いて広がりやすく実際の体型以上にボリュームがあるように見せてしまいます。また、横に広がるデザインや落ち感のないAラインなども体を大きく見せる原因になりがちです。
3. 「隠したい」という意識が強すぎる
とにかく隠したいという気持ちが先行すると、全身をゆるっとしたアイテムで固めてしまうことがあります。トップスもボトムスもオーバーサイズとなるとどこにも引き締まった部分がなく、どうしても野暮ったく太った印象に見られがちです。隠すことばかりに気を取られ、全体のバランスを見る視点が欠けてしまうことが原因の一つと言えるでしょう。
トランス女性特有の骨格・筋肉の悩み
トランス女性の場合生まれ持った体の特徴が、オーバーサイズの着こなしを難しく感じさせる要因となることがあります。
1. 骨格の違い
一般的に、男性的な骨格は肩幅が広く腰幅が狭い傾向があります。この肩幅を隠そうとしてオーバーサイズのトップスを選ぶと肩のラインがあいまいになる効果はありますが、同時に身幅も広くなり結果的に上半身全体が大きく見えてしまうことがあります。また、腰幅が狭いとオーバーサイズのトップスを着たときにウエスト周りがもたつきやすく寸胴に見えやすいという側面もあります。
2. 筋肉のつき方
筋肉質な体つきをカバーしようとさらにゆったりした服を選ぶと、服のボリュームと相まってよりがっしりとした印象を与えてしまう可能性があります。特に腕周りや背中などの筋肉が気になる場合、選ぶトップスのデザインによってはその部分が強調されてしまうことも。
3. 着こなしの知識や経験
女性としてのファッション経験が浅い場合「体型を隠す=オーバーサイズ」という単純な発想に陥りやすく着やせ効果や女性らしいシルエットを作るためのテクニック(素材選び、バランス感覚、小物使いなど)を知る機会が少なかった人が多いかもしれません。
次の記事では、実際にオーバーサイズを着こなすテクニックを紹介します。