ジェンダーレストイレの議論で当事者が出てこない違和感

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先日、歌舞伎町タワーに行ってきました。その場所で賛否の渦が巻き起こっているのが2階にあるジェンダーレストイレです。

SNSでは写真や動画つきで掲載する人もいますが、歌舞伎町タワー側は騒動を受けて撮影の自粛をお願いしております。私たちもそのアナウンスに従い、撮影はせず外側の様子のみ写真に収めました。

その時の様子は、個室の利用者は90%以上若い女性でした。SNSで騒がれているような女性を目線で追う男性客や、不審そうな人はいなかったです。むしろ鍵の構造がおかしい(下のカギが自動で数秒で解錠されていまうため無人と思い入ったら女性と目が合うとか)とかの方が気になりました。

さて、ジェンダーレストイレについては賛否の声が大きく挙がっています。特に過激なものでは「女性の権利を奪うもの」「化粧直しをするのに男性の目線があるのが嫌」といった男性とは分けて欲しいという意見が根強くあります。いわゆるジェンダーレストイレ不要論です。

そうした意見は、フェミニスト的な女性だけでなくLGBTQ+当事者も乗っかっています。

これについて私は素朴な疑問を持っています。

そうした場に有識者として呼ばれるのは「(当事者では無い)一般人で経歴がすごい文化人」か「LGBTを代表して(だいたい)ゲイ」が主となって意見を発信します。

しかし、LGBTQ+のうちトイレ問題で困っているのはトランスジェンダーがほとんどであり、それ以外にはXジェンダーやインターセクシャルの人だと感じています。

車だからといって日産の人にトヨタの車を聞くような、北欧だからといってデンマークの人にスウェーデンのことを聞くような曖昧さを覚えてしまうのです。

なので、メディアの方にお願いしたいのは、トイレが本当に必要な人たちがいて、その当事者をキャスティングしてほしいということです。

内情としてトランスジェンダーの多くは、トイレ問題について発信することは、トイレすら入れない、騒がれてしまう=パス度が低い、と切り捨てがちです。そうではなく、トランスジェンダーがこうした問題で専門家として取り上げられもしないことに危機感を持った方がいいと思いました。

トイレの賛否は当然、当事者であるトランスジェンダー間でもあります。意見が一人ひとり違うのは当然のことです。ですから、この記事ではその賛否を述べることは一切致しません。

しかし、自分たちの問題なのにそれを解決するところで「外野がお金を儲けて」「関係の無いところで意見がやり取りされている」これがいかに異常かは考えたほうがいいのではないでしょうか。正直、トイレ問題には無関心で適当に生きてきましたが、反省しきりです。

なお、歌舞伎町タワーは、まるで映画かアニメのようなぶっ飛んだ世界観です。非日常すぎるのでトイレで驚いても他でもっと驚くから、建物全体で見るとそんなにインパクトはないということも伝えておきます。

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