当事者でも難しいと感じるLGBTQ+業界の専門用語があります。今回は「ニューハーフ」の説明です。
言葉の由来は1980年にさかのぼります。ロックバンド「サザンオールスターズ」のヴォーカル桑田佳祐さんが歌手デビューするに、大阪・心斎橋にあるショーパブ「Bettyのマヨネーズ」へ訪れました。その時お店のママであるベティさんが「男と女のハーフよ」と言ったことに対し、桑田さんが「ニューハーフだね」と返したことが語源になったと言われています。
そこからショーパブの方や性風俗の世界を中心に、男性が女装をして働く人たちのことをニューハーフと呼ぶようになりました。また、wikipediaでは「女性のようにふるまう男性のことを指す」用語と紹介されています。
1980年代は、まだトランスジェンダーという言葉は日本へ入ってきていませんでした。そして2010年代以降は、当事者から「(ニューハーフは)トランスジェンダーやトランスセクシャルとは違う」、「差別的な名称だ」として区別する流れもあります。
今では「職業的」な意味として、女性の姿をしてショーパブなどで働く「職業名」としての認識が強いでしょうか。
一方で、今でも性風俗や水商売などの世界では自身のことを「ニューハーフ」と自称する人は少なくありません。
当事者同士では、自分で「トランスジェンダー」表す人は静かで大人しい雰囲気で、「ニューハーフ」と表す人は明るい派手な人が多い傾向があると考えている人もいるようです。しかし、それもステレオタイプ的な偏見かもしれません。