2月4日、西原さつきさんの講演会と朗読劇が行われました。
場所は、東京都町田市にある町田市民フォーラム。以前にさつきさんが住んでいた元ホームタウンです。
今回は講演会の様子をお届けします。
講演テーマ「自分らしく生きていく」
講演のテーマは「自分らしく生きていく Just be yourself with your story」。自身の性別を変えた体験談やLGBTQ+、性の多様性についてのお話です。
LGBTQ+の簡単な説明や性別を体・心・表現・好きになる性別の4つに分けて男性的か女性的か程度付けをする考え方の紹介から始まりました。
自身の経験から治療内容、周囲へのカミングアウトなどが語られました。
副題の「Just be yourself with your story」とはあなたの物語をあなたらしく生きてください、という意味だそうです。
「人生は長い時間をかけて自分らしさを見つける旅だと思っています」というさつきさんの言葉は、私たちのようなLGBTQ+の当事者の方への力強いエールに聞こえました。
カミングアウトというと当事者にしか関係のない出来事のように思えますが、例えば「大病を患ったことをカミングアウトする」「結婚や離婚を報告する」「テストの点数をカミングアウトする」など子供のころから大人まで小さなことから大きなことまでカミングアウトってありますよね。そして、それらは大きな勇気がいるものです。
当事者ではない方にも「自分が楽でいられる生き方でいいんだよ」と言ってくれているような気がしました。
朗読劇 ジェンダーって何?
「親子で聴ける」と称した朗読劇では、さつきさんが自ら今回のために書き起こしたという台本が使われました。
「町田市にある小さなお花屋さんで起こったある物語」としてさつきさんがお花屋さんのオーナーを演じました。
LGBTQ+を題材にしたリアルな朗読劇でお花屋さんでアルバイト生活を送る登場人物「すず」さんを演じた声優の野中さんは、その物語の内容を「生々しい」と感想を述べられていました。迫真の演技から思わず涙を流す観客も多く、当事者の自分としても心から込み上げてくる何かを感じました。
印象的だったのは物語中で当事者の父親役である登場人物が「LGBTQ+当事者が10人に1人いるということを知っていても、自分の家族となるとは話は別だ」と言っていたことです。ノーマルな人たちが「自分の周りにはそんな人たちはなかなかいない」と考えられていることが端的にわかります。それでも最後にはハッピーエンドを迎えて前向きな未来を見たような気がしました。
当事者の方だけで生きていくことはできません。周りも含めてお互いが配慮し合うことが大切なんだなと感じた朗読劇でした。いつか機会があれば皆さんも観てください!