トランスジェンダーを描いた映画6選

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トランスジェンダーを描いた映画はかつては余りありませんでした。あっても女装やメイクオーバーもの、コメディータッチものでとどまっていたり真剣な視点から捉えたものは少ないです。しかし、時代の流れでしょうか最近は少しずつそうした作品があり、そして、中には名作と呼ばれるものも登場してきました。

今回はトランスジェンダーを描いた作品から独断と偏見で名作と思ったものを紹介しましょう。

リリーのすべて(2016)

世界初の性別適合手術を受けた人物・リリー・エルベにまつわる作品。監督は『レ・ミゼラブル』のトム・フーパー。

主人公のアイナー・ヴェイナーは今より80年も前に、心と身体の不一致に葛藤しながらも自らの女性性を獲得するために奔走する。少し史実とは異なる部分もあるそうだが、何より妻が協力して主人公に協力していく、というところが注目ポイント。

妻子持ちのmtfの方って意外と多いのですが、なかなかうまくいかないことも多いですよね。ぜひ一緒に鑑賞してほしいです。

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ナチュラルウーマン(2017)

珍しいチリの映画。先日インタビューに応えてくださった明治大学の田中先生ご推薦。

2017年度のアカデミー国際長編映画賞受賞作品。トランスジェンダーの歌姫マリーナは、恋人オルランドと、愛犬ディアブラと共に暮らしていた。しかし、オルランドが自宅のベッドで意識を失い、急死してしまう。

オルランドとは歳の差が離れていること、マリーナがトランスジェンダーであることから周囲からの偏見、差別が巻き起こる。その中で彼女がとった行動とは…。決して明るい作品ではありませんが、自らの境遇と重ね合わせる人も多いだろう快作です。

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恋とボルバキア(2017)

小野さやか監督作品。公開は2017年ですが、実際の取材はプロパガンダがあったかなかったかぐらいの時代で一度ドキュメンタリーになった後再編集して映画になったのではないかと記憶しています。(違ったらごめんなさい)

日本の作品で私の知り合い・当時の友達も出演していた作品です。「セクシュアルマイノリティーそれぞれの悩みや夢、恋や幸せの形、生きづらさを捉えたドキュメンタリー」ということで、一本の作品の中に複数のドキュメンタリーが入ったオムニバス的な雰囲気もあります。

距離が近かった方々が出演しそして私の前では見せない表情をされていたこともあって、当時深く考えさせられた作品です。

わたしはロランス(2012)

子役出身という経歴を持つ気鋭の監督グザビエ・ドランによる作品。

女性になりたいと願う主人公のロランス・アリアは恋人のフレッド・ベレールと愛しあっていた。しかし、ロランスは実はトランスジェンダーで女性になりたいと願っていた。

フレッドは困惑しながらも最大の理解者として主人公をサポート。しかし、主人公のトランスは職場では受け入れられず二人は別れることになってしまい…。

3月には『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』の公開が迫っているドラン監督の過去作品ということで今また再脚光を浴びています。

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トランスアメリカ(2005)

その名の通りアメリカ映画でダンカン・カッターによる処女作。

フェリシティ・ハフマン演じるブリーはSRSを目指すトランスジェンダー女性。しかし、彼女には男性時代に作った息子がいました。

実の息子であるトビーと対面し、自分が父親であることを隠したまま二人でアメリカ大陸横断 (トランスアメリカ) の旅に出るというストーリー。

話のあらすじ事態はとても簡単なのですが、親子の絆、恋愛といった要素が入ってきて見やすく、またトランスジェンダー役に純粋な女性フェリシティ・ハフマンを起用していること、そして彼女の名演がまたすごいのです。

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ヘドウィグアンドアングリーインチ(2001)


2019年にミュージカルとして講演され再び注目されたのがカルト的な人気を誇る同作品です。ミュージカルでは主人公ヘドウィグを浦井健治さんが務めました。

主人公ヘドウィグは性別適合手術を行ったものの1インチほどの「取り残し」がでてしまい、それの怒りでロックバンド「アングリー・インチ」
を結成するというストーリー。これだけを聞く限りインパクト大で破天荒な話なのですが、その根底にあるのが愛です。

当時、大絶賛、賞賛の嵐だった作品、20年たってもミュージカルになるだけのことはあります。ちなみに、サンダンス映画祭観客賞、監督賞を受賞しています。

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