3月15日、16日、日本GI(性別不合)学会第26回研究大会が開かれました。
今回は、久々の東京での開催ということもあり、430名ほどが参加。乙女塾からはNAOがトランスジェンダー女性のメイク悩みに関するテーマで一般演題を発表。また生徒さまが約10名ほど参加されていました。
さて、気になるテーマのうち今回取り上げたいのがトランスジェンダー女性の戸籍変更についてです。
2023年10月、最高裁が「トランスジェンダー性別変更、生殖不能の手術要件は違憲である」と示したことにより、手術要件が事実上撤廃に向かっています。すでに裁判をおこしたトランスジェンダーが“手術なし”で戸籍変更を勝ち取っています。
ところが、ほとんどが「トランスジェンダー男性」のケースで、女性はどうなるかはわからない状況でした。
今回の学会発表では、針間先生がはりまメンタルクリニックでの戸籍変更症例数を発表した一方で、「トランスジェンダー女性は、手術なしでの戸籍変更は依然として難しい」ことをふれておりました。その理由として、生殖不能の手術要件は違憲でも、外観要件は残っています。では、ホルモン治療でトランスジェンダー女性の性器の外観が女性のものと類似するか?という点をあげておられました。
病院側で認めた場合、医師として医療の立場から「ホルモン治療でトランスジェンダー女性の性器の外観が似る」と認めることになり、現実の障壁の難しさを語っておられました。
はりまクリニックでは6人が申請して、認可1、却下1、未済(まだ結果が出ていない)4とのことでした。
一方で、他の発表では「トランスジェンダー女性で手術なしで戸籍変更をした当事者」の発表がありました。現時点では、発表になるということは相当レアなケースと考えられます。
なのでトランスジェンダー女性の場合「手術なしでの戸籍変更はできなくはないが、ハードルは高い」というのが2025年3月時点での発表になるかと思われます。もしよろしければ皆さまからのご意見もXなどでお待ちしています。