MtFトランスジェンダーを4つの要素に分解する(NAOの考え)

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MtF(エムティーエフ)という言葉をひも解くと色々な要素があるのではないか、そんな話が乙女塾メンバー間で少盛り上がりました。

みなみの考えはこちら↓からどうぞ。

今回は私、NAOが考えるMtFの構築論です。

MtFを4要素に分解する

私の考え。それは、トランスジェンダー全員に「トランスジェンダー」「ニューハーフ」「AG」「WOMEN」的な4つの要素があって、各自でそのバランスが違うというものです。3つの名称には語弊があるかもしれませんが、わかりやすさを含めてあえてそう記しています。

トランスジェンダー要素

いわゆる性別不合、性別違和の要素です。心がいかに女性度が高いか、身体的に女性性を可能な限り求める度合いと考えました。

SRS志向が強く、胸の発達、ホルモンの話題に特に興味があります。一方で、心と素の体が女性的かどうかが大事で、いわゆる女性的だと言われる趣味を持つことやメイク、ファッション、ネイルなどに興味があるかは関係がありません。

極端なタイプだと、メイクや髪型、服装を抜きにボーイッシュな状態かつ素顔で「パス」できなければいけないと考えます。SRSをしても最後まで女性との差異に悩む具合が高くなります。

女性に戻るという感覚が強く、性別適合、性転換、身体は男性・心は女性といった言い方には引っかかるものを感じることがあります。

ニューハーフ要素

いわゆるモテの要素と顔の美しさで考えています。外見がいかに女性度が高いか、容姿の美しさを重視します。

メイク、ファッション、ネイルなど男女二元論でいうところの女性的な要素を外見に盛り込みます。異性にもてるために自分をどう見せていくかということです。

自分の好きもありますが、同時に相手から女性として魅力あふれる外見を持つかどうかも考えます。FFSや美容整形にも積極的です。極端なタイプだと、ノンケの男性にもてるために女性化した、容姿やファッションは彼氏の好みに合わせるというようなパターンもあります。

可愛さ・キレイさは作っていくもの、女性というのは磨いて作るものといった感覚でしょうか。

AG要素

いわゆるナルシズムだと考えています。自分が女性として可愛い・魅力的である。女性化して治療が進むことに喜びを見出すといったことです。

極端なタイプだと女装して可愛かったら、女性化したようなパターン。また、性的な欲望から女性化するパターンがあります。メンタル面の弱い層が多い中で、余りメンタル面でネガティブにならない層も多いと考えました。

自己評価が大事なので、唯我独尊タイプと言えるかもしれません。

WOMEN要素

3つの要素に加えて+アルファで考えるべきは「WOMEN」要素です。FEMALEではなくWOMENと説きましたのは、つまり、社会的に女性としての役割をこなしているかどうかを重視する層です。

女性として働く、仕事をするといったことから女性としてのコミュニケーション論、女子社会に溶け込んでいるかなどです。男女二元論でいうところの家庭的な一面を持つ(料理や裁縫)といったことです。内面の女性らしさですね。

以上、語弊を恐れずにわかりやすさ重視で4要素として設定しました。これらの要素は各々がどこかに属するのではなくて、すべての要素を強弱があれど持っていると考えます。

トランスジェンダーを一括りにするのをやめる

「MtFトランスジェンダーと言われる人たち」は、世間からは「オネェ」とか「LGBT」と呼ばれて、なよなよした男子からLGBTQ+全般までも通り一遍一緒くたに見られてしまうことが多くあります。

でも、実際は「トランスジェンダー」だけとってみても実際には当事者間には意見が違います。各自でズレがあるということです。

男性といってもマッチョマンから中性的なジェンダーレス男子がいるのと同じように「トランスジェンダー」と一括りにするのをまずやめて考えると、見えてくるものがあります。

実際にSNSでも当事者間で「ルッキズム」を説くものもいれば「SRSの有無といった治療の進行度」「RLEでのコミュニケーション論」などそれぞれのベクトルで「いかに進んだレベルにあるか」が話し合いの材料になります。

また、自然とマウント志向があります。SRSを終えていれば「やるのは当然、マナー」的な意見も散見されますし、胸があればそうした画像をあげたり、他人に豊胸や自分の成長したおススメを紹介したりです。

互いの考えのずれを見ると4つの要素で何を重視するのかがあまりにも違い過ぎる現状があります。

私たちも乙女塾を始めて(自分たちの想定したよりも)MtFトランスジェンダーの幅の広さ、そして治療の順番や重視することにあまりにも違いがあることには驚き、そして受け入れてきました。

例えば、まだ何も手を付けていない段階で初手の治療としてSRSをすることを望んだり、まず最初に女性として働くことを重視する(そのために何が必要なのかを逆算するような)といったケースは少なくありません。

その中で、実際にはすべて重要なのだと考えますが、お互いが相容れるのは難しいと考えています。

というのは、例えば「SRS」したことで会社に女性として認められたのであれば、「ルックスが美しいことで」モデルや女優になったのであれば、それは自分が「切り開いた武器」「成功体験」でもあるからです。その生き方を否定したり変えるのは難しいでしょう。

でも、お互いに尊重はできます。違う考え方をリスペクトはできます。「どれが正しい」とか、「どれが本物」ではなくて、理解をすることがトランスジェンダーが社会に受け入れられていくためのステップなのではないかと考えました。

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