本日は入学説明会ありがとうございました。心機一転スタッフ一同頑張ってまいります。
また、今回から裏方スタッフに1名加わりました。有名な方なのでそのうち紹介できればなぁ、と考えております。
さて、一番人気のボイスレッスンですが、受講を希望する生徒さんに西原さつきが必ずお伝えしていることがあります。
それは女性の声=高く、男性の声=低いというわけでは必ずしもないということです。
「言語による声の高低差」 日本語は声が高い言語。 ”男性は低い声、女性は高い声”はよく言われるが、言語によっても違い、実に半オクターブ差。 実感として、話す言語を変えると自分の声の高さが変わるのは前々から感じてたが、やはりか。… https://t.co/7uE7nPUabb
実際に、上記のツイートの通り男性と女性の差は日本では半オクターブしか離れていないとも言われています。半オクターブをヘルツに直すと約100ヘルツになります。
声のヘルツについては諸意見があります。
男性120~200ヘルツ、女性が200~300ヘルツ
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1495223999より
男性110~150ヘルツ、女性が220~270ヘルツ
http://onnnagoe.blogspot.jp/2011/12/blog-post_01.htmlより
男性は平均120ヘルツ
などとありますが、男女差がだいたい半オクターブ差(100ヘルツ)ぐらいというのがわかるでしょうか?
実際にMtFの女声についての論文があります。
それによると、
その結果,70%以上女性に聴こえる発話の声の基本周波数(F0)は母音で平均 270 Hz,朗読で 217 Hz となり,生物学的女性の平均値 243 Hz(母音),217 Hz(朗読)に近いものとなった.しかしながら,生物学的女性と同じ F0 値の範囲にあっても,女性と判定されない声が 7 割近くあり,声の高さだけが女性の声に聴こえる要因ではないことが示唆された.
とあります。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp/50/1/50_1_14/_pdf
論文を読んでみると、実際に「女声」と判別されたMtFの中でも朗読172ヘルツ、生まれながらの女性でも155ヘルツという方もいます。つまり、男性の平均から少し高いぐらいの声の女性もいて、我々は普段そこに違和感を感じていないということになります。
では、なぜ高い声の人でも女性の声と判別されていないかというと、「フォルマント」だけでなく「話し方」や「抑揚(イントネーション)」などが大事であると我々は考えています。
実際に上記の論文でも下記のような記載があります。
生物学的女性では,本研究の例のように150 Hz 半ばでも女性と判定されるが,MtF の場合は女性判定率良好群の結果から 170 Hz は必要になってくる.しかしながら,高すぎると逆に女性判定率は下降する傾向があり,朗読の場合には 300 Hz を超えると女性に判定されにくくなることが示唆された.また, たとえ声の高さの条件を満たしても,女性に判定されない場合があり,女性と判定されるためには,高さ以外の要素も重要であることがわかった.
また,本研究における生物学的女性のケースからも,声の高さが 160 Hz 付近であれば,むしろフォルマントのほうが重要であるということが示唆される. しかしながら,この生物学的女性の場合,母音では5%の女性判定率しかなかったにもかかわらず,朗読では 80%以上女性と判定されていることから,女性の声に聴こえるにはフォルマントよりむしろ話し方, イントネーション,話速などが重要であるように考えられる.
よく女声を出そうとして裏声でしゃべっている方がおりますがそれは正しい方法ではありません。アプローチの1つとして裏声を練習する必要はありますが、真の女声習得のためには是非ボイスレッスンを受けてみてください。