トランスジェンダー女性は、性別移行に際して女性化を期待して女性ホルモン治療を行います。身体的な変化に期待しますが、変わらないこともたくさんあります。
その1つが声です。女性ホルモンを身体に投与しても声が変わる事は殆どありません。(反対に男性ホルモンを摂取したトランスジェンダー男性の場合は、声が低くなります)
今回は、SNSを元に加筆修正を加え、声帯の構造とホルモンの作用メカニズムを紹介します。
声帯の構造とホルモンの影響

声の高さは、声帯の長さ、厚さ、緊張度によって決まります。男性の声帯は一般的に長く厚く、女性の声帯は短く薄い傾向があります。これが男性の声が低く、女性の声が高い理由です。
エストロゲン(女性ホルモン)や抗アンドロゲン薬を投与しても、声帯の物理的な構造(長さや厚さ)はほとんど変化しません。思春期以降に男性ホルモンによって厚くなった声帯は、女性ホルモンによって薄くなったり、声変わり前に戻ることはありません。そのため、ホルモン投与により、声が女性らしい高さに変わることは難しいです。
反対に男性ホルモンを摂取すれば、男性ホルモンによって厚くなるため声は低くなります。
ではどうすれば声を女性らしくできるのか?

声帯は主に筋肉、粘膜できております。この筋肉をトレーニングし、肥大した声帯を伸ばす!これがボイストレーニングのメカニズムです。
つまり、声の女性化は特殊な人だけのモノではなく、誰もが変えるコトが出来るのです。そのため、トランスジェンダー女性以外でも、女性の声で女性ボーカルの歌を歌いたい、両声類といった人や、プロの男性ボーカルの方は高いキーでも平然と歌って見せることができるのです。
