近年ではトランスジェンダーという単語が広く使われるようになりました。しかし実はトランスに関する言葉はそれ以外にもたくさんあります。意外と知らない方も多いかもしれませんので、今回は数ある用語のうちの有名なもの3つをご紹介します。
トランスジェンダー(Transgender)
ジェンダーとは社会的な性別という意味です。
つまり「身体的性別と性自認が一致しないこと」を指します。身体的性別が男性、性自認が女性の場合をMtF(えむてぃーえふ)、身体的性別が女性、性自認が女性の場合はFtM(えふてぃーえむ)と呼びます。
女性の恰好をするしない、女性化のための手術を行っている・いないといったことは関係がありません。心の持ちようの話です。
トランスセクシャル(トランスセクシュアル)(Transsexual/Transexual)
身体性まで変えたい(あるいは変えた)方を意味します。特に性別適合手術(SRS)を望んだり実際に受けた人のことを「トランスセクシュアル」と呼び、トランスジェンダーのうちの一部を指したり区別する場合があります。
しかし、この境界線は最近では曖昧になってきており個々の認識が違うように見受けられます。一般的には「トランスジェンダー」という方でもSRSを行うことを目標にしている場合が多いです。
ところが、WHOではトランスジェンダーの中にトランスセクシャルは含まれておりません。
また、本来は「トランスセクシュアル」という呼び方が正しいそうです。
トランスヴェスタイト(Transvestite)
いわゆる「異性装」です。
堅苦しい言い方なので、海外でもクロスドレッサー(クロスドレス)、日本では女装、または男の娘と呼ぶことが多いです。
トランスジェンダーとは違うと感じる方がいるかもしれません。WHOではトランスジェンダーやトランスセクシャルとは別と定義されていますが、国連の「トランスジェンダー」の定義ではトランスセクシャルと並びトランスジェンダーの一部とされています。
身体的性別と性自認は一致している。しかし身体的性別らしいファッションに違和感があり、性表現(ファッション、メイク、仕草など)を反対の性別にすることを指します。
自分が安心するファッションという意味合いもあれば、性的興奮やパフォーマンスのために一時的に自身と反対の性表現するといったケースもあります。
男性が女性の格好をする場合を「女装」、女性が男性の格好をする場合は「男装」と呼びます。
また自身が安心するファッションをしている、という点ではトランスジェンダーも「女性のファッションを着ると安心する」そう感じる場合があるようです。
まとめ
性別に違和感 ある SRS しなくてもいい ⇒ トランスジェンダー
したい ⇒ トランスセクシャル
(性別に違和感はない(あまりない)が)
身体的性別らしい性表現(ファッション、メイク、仕草)に違和感 ある ⇒ トランスヴェスタイト
ない ⇒ シスジェンダー
というのが本来の意味らしいのですが、実際に言葉を使われている雰囲気をみるとこの表現からは一部意味合いが変化をしているなと感じています。
国連の定義はトランスジェンダーの中にトランスセクシャルとトランスヴェスタイトが含まれる。
WHOの定義はトランスジェンダーとトランスセクシャルとトランスヴェスタイトはそれぞれ別。
と別れてしまっているのもその理由の1つかもしれませんね。
ちなみにトランス(trans)という言葉は日本語に訳すと「越える」「超越する」という意味があります。そのため超えたい部分が身体なのか、社会的な性なのか、あるいは服装なのか……その部分が見えてくると分かりやすいかもしれません。