MtFトランスジェンダーが治療のために女性ホルモンを摂取する場合、以下の4つの方法が考えられます。
・錠剤
・パッチ
・ジェル
・注射
今回は詳しく見ていきましょう。
過去のMtFトランスジェンダーへの女性ホルモン治療基礎知識も合わせてごらんください。
錠剤
肝臓の負担が大きいと言われています。しかし、自己判断で診断書なく自己輸入などでホルモンの錠剤を取り寄せて、それらを摂取する人たちがいます。そのため錠剤を摂取する人たちも少なくありません。こうした医師の診断ないホルモン摂取のことをフライングホルモン(通称フラホル)と呼ばれています。(乙女塾ではきちんと医療機関へ通われることを推奨しております)
その一方で錠剤にもいくつか種類があります。代表的なものは以下です。
プレマリン エストロゲンの女性ホルモン錠剤です。
プレモン、エストロモン エストロゲンのジェネリック的な女性ホルモン錠剤です。あまり効き目は多くないという評判・クチコミを耳にします。
ダイアン かなり強力と言われています。迷いがあるうちに飲むことは絶対にやめましょう。
プロギノバ かなり強力と言われています。迷いがあるうちに飲むことは絶対にやめましょう。
パッチ
女性ホルモンが塗布されたパッチを貼るタイプ。これによってホルモンを補充する方法です。お手軽である反面、肝臓への負担が注射よりも大きく、また皮膚がかぶれる心配があります。
また、パッチは1週程度効果が持続するものが多いですが、コスト的には注射や錠剤に比べて値段が高くなります。そのため、使用されている方は少数派になります。
バイエル社のクリマラが有名です。
ジェル
女性ホルモンが含まれているジェルを身体に塗り込む方法です。こちらもお手軽です。
ただし、パッチと違い毎日塗る必要があること、塗る量がある程度必要なこと(そのためのスケールが付属しています)コスト的に値段が高くなることから、こちらも実施されている方は少数派です。
一般的には、効果は緩やかに感じることが多いようです。具体的な商品としてはオエストロジェルが有名です。
また、ジェルではないですが一般的な基礎化粧品の中には女性ホルモンが含まれているものがあります。これらは市販で買えるものや医師の診察後に購入ができるようになるもの(ドクターズコスメ)がありますが、どちらにしてもトランスジェンダーの治療目的には使われません。配合量もほとんどはごくごく微量になります。
注射
基本的に女性ホルモンの摂取は注射で行なう方が多いです。ガイドラインに沿った場合、病院(ジェンダークリニックや婦人科など)で性同一性障害の診断書を取得してから治療を行ないます。
ただし診断書があっても、治療は実費になります。その為、価格やアンプル数(量)は病院によって大きな差があります。また、投与量すらも自己判断で決める必要がある病院もあります。
MtFトランスジェンダーであれば、通常、毎週、または隔週でエストロゲンを1A〜2A(アンプル)で摂取されている方が多いです。ボイス担当の西原さつきは毎週1回1A注射しています。筋肉注射なので痛いという欠点があります。
併せて、男性ホルモン抑制効果を期待して抗男性ホルモンを投薬する方。黄体ホルモン(プロゲステロン)を接種することで疑似的に生理周期を作り出し、ホルモン分泌を変化させる人もいます。また肝臓への負担を抑える目的でプラセンタ注射を併用される方も多いです。
このように注射は基本になります。一方で、自己注射するケースもありますが、多くは病院へ通う必要があります。そのため、地方在住で近くにジェンダークリニックがない場合、錠剤を主に組みたてる場合もあります。
まとめ
いずれの方法にしても、摂取するホルモン量が多ければ治療効果も上がると考えて、ついつい量を増やしてしまう方が多いのですが……その考え方は正しくありません。肝臓への負担があがるので気を付けましょう。
また、SRS(性別適合手術)を受けていて戸籍を変更されていれば、保険治療になる場合もあります。