乙女塾パートナーのまいと申します。記事には何度かインタビュー形式で登場しています。今日は、ひとつの知識として、選択肢として、知っておいてほしいことがあり筆を取りました。
(Photo by Le Roy)
それは、「トランスジェンダーでも、子供を授かる事ができる」ということです。
女性ホルモンを摂取すると男性機能は喪失される
男性が女性に性別移行する場合、女性ホルモン治療行うことが一般的です。その場合、数か月から半年も治療が進むと男性機能を喪失してしまい、一度失った男性機能は回復しづらいとされています。また、性別変更の際に「性腺を欠く状態である」ことを求められます。つまり、「子供を作ること」を諦めなくてはなりません。
様々な方法や形がありますが、私が選んだのは「精子凍結」です。簡単に申し上げると言葉の通り、精子を凍結させて保存しておき、体外で受精させて女性の体内に入れて妊娠を図るというものです。
(1年あたり、おおよそ1万~1万5千円前後の精子凍結保存費用がかかります。また、嬉しいニュースとして、以前は不妊治療は全額負担でしたが2022年4月より保険が適用されることになりました。詳しくはこちらをご参照ください。)
私は最初「精子凍結」を知らず、「トランスジェンダーは子供が産むことができなくなる」ものだと思い込んでいました。しかし、パートナーからの希望でその事を知りました。
現在はSRSを終えています。
先日、性別適合手術前に凍結した精子を使い子供を授かる事ができました。
精子凍結、代理出産という選択肢
パートナーがいないという人も、世の中には、いろいろな人がいて、「代理出産」(精子を受け取って、子供を産みたいという人)もいたりします。多様な性があるように、多様な生み方も、これから産まれると思います。
(編集部注:代理出産は日本では認められておりません。海外のウクライナが盛んでしたが、ロシアとの戦争のためこれからはアジア圏でそういった事例が増えそうです)
精子を凍結していなければ様々な可能性を失うこととなります。
色んなご意見があるかもしれないがこういう“選択肢を考えて欲しい”。「女性ホルモンを摂取する、その前に」知識として、知っておいてほしかったのです。
(私の場合ですが、錠剤等で少しでも女性ホルモンを取ると、1ヶ月後には射精はできても中の精子がなくなっていました)
例え、世の中にひとりでも、この知識があることによって悲しむ人が少なくなればいいなと思います。
性別適合手術から子供を意識したキッカケ
ちなみに私の場合ですが、男性の時は性別移行への思いが強く、性別適合手術にしか興味はありませんでした。
しかし、いざSRSをして女性としての生活が始まると、体力が半分以下に落ちました。さらに、年齢を重ねていく過程で、さらにその半分以下、つまり以前に男性として生活していた時の4分の1以下の体力になったと感じています。
男性の時に40時間労働で感じる疲労を、女性になったら10時間くらいで感じる様になったのです。
そこで、残された未来と、子供の事を意識する様になりました。SRS後の体力低下の部分も、あらかじめ、知っておくといいかもしれません。
良ければ一つの選択肢として、参考にしてみてください。