京都耳鼻咽喉音声手術医院の手術自費診療化で話を聞いてみた

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先日、京都耳鼻咽喉音声手術医院の甲状軟骨形成術のIII、IV型手術が4月1日以降完全に自費診療化することが衝撃をもって迎えられました。

今回は、同病院の東家先生に気になる質問をメールでぶつけてみました。

(取材日:2023年1月22日)

ーー(乙女塾、以下略)今まで性別適合手術(SRS)を受けて戸籍を変更している人の場合、保険適応となって3割負担で手術を受けることができました。何故、自費診療化したのでしょうか?

(東家先生、以下略)今回の自費診療化は、かなり悩んだ末での決断でした。Twitterでも書きましたが、最近は性別を問わず「渋い声にしたい」、「可愛い声にしたい」、「若い声にしたい」、「よく通る声にしたい」など、要望が多様化しております。保険適用か自費か、個々の判断について誰もが納得のゆく理由づけは不可能になってきました。よって、不公平をなくすため、全例自費診療化を決断しました。

ーー今回自費診療になるにあたっては、例えば学会や医療的なガイドラインがあって他の病院も自費診療となるのでしょうか?

全例自費としたのは、当院の独自の決定です。保険でされる施設もあるかと思います。

ーー金額はずばりいくらでしょうか?また、昨今は物価が上がり医療費も値上がりの傾向が続いております。

手術費用は変更なく、55万円です。ただし、諸費用等含め、入院・手術総額で71万5千円となります。これも以前と変更はありません。

ーー3割負担であれば20万円強となります。急いでお金を貯めて、駆け込みで手術を希望される方がいると思います。ご予約状況はどうなっておりますか?

2月の枠は少数ですが、3月の枠はまだ十分空いています。

ーーTwitterのリプライでも記載されている方がおりましたが、ヨーロッパや韓国で行われている声帯短縮術も始めたと噂されております。

声を高くする手術は声帯短縮術より甲状軟骨形成術 IV型が望ましいと考えておりますが、、Ⅳ型を受けられたうえで、さらに高い声を希望される方には実施を開始しております。全員自費治療となります。しかし、正式に公にするのはもう少し先でと考えておりますので詳しくはまだ控えさせてください。

手術を本気で考えている人へカウンセリングではどんなことを行うのか、東家先生の元で手術を受けたゆーこに聞いてみました。

ーー術前のカウンセリングはどんなことをするのでしょうか?
(ゆーこ、以下略)自分の一番低い声、高い声を出します。また内視鏡検査で声を出したときの喉の状態を見ます。

さらに口腔内に空気を送り込んでその状態で息を吐くということもやりました。

ーーそのことであなたは適応外だから手術できないと言われることはありますか?
それはわかりません。ただ、先生がおっしゃられていたのは「自分たちは楽器を用意します」と。でも楽器は誰でもひけるわけではありませんよね?演奏するために練習する必要があります。

ーーありがとうございました。手術後のボイストレーニングを乙女塾で受けてらっしゃいましたよね。他の生徒さんでも同じように術後のケアに使われている方がいます。

話を聞いた人

医師

東家 完

京都耳鼻咽喉音聲手術医院

2005年に熊本大学を卒業。同大学にて音声学の基礎を学び、声帯の動きを制御する神経学分野で博士号を取得。その後、音声学のメッカである米国ウィスコンシン大学に留学し、声帯粘膜の再生に関わる研究に従事。帰国後、同大学助教を経て、2017年に医療法人顕夢会ひろしば耳鼻咽喉科(現・京都耳鼻咽喉音聲手術医院)に入職。音声外科部門長として、国内外問わず、声の悩みにとことん付き合う医療を展開中。

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