MIQ前夜!van✖西原さつきロング対談

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トランスジェンダーのミスインターナショナルことMiss International Queen。1月に行われた2019年のMIQ日本大会を制し、3月の本大会でも活躍したvanさんを直撃、乙女塾のさつきと対談した。


西原さつき(以下略)――MIQの日本大会て(当時は書類審査後世界大会だった)私は出たことがないんですけれど率直に言って出場した感想はどうでしたか?

VAN(以下略) 世界大会へ向けたみんなの熱量がすごいと思いました。一方で、情報が少ない分偏っているな、と。バランス・・・この子は自分の見せ方がわかっているな、この子は分かっていないなみたいな。

――vanさんはトータルプロデュース力が高いというか、日本大会の衣装やメイクはセルフでやっているんですか?

はい。自分でできるんですけど、ヘアだけ呼びました。ヘッドをつけるので、「こーして、あーして」と言えるスタッフを選びました。

――この子は分かっている、わかっていないというのは?

自分をわかっている子。自分の長所がどこで、どのパーツが好きとか。他人から見てうらやましいという面が一人一個はあると思うんですよ。それがわかっている子の方が強いと思いました。

――自分でいいなと思う、ご自身はどこのパーツが好きですか?

足が元々コンプレックスだったんですけど、身長が175cmと高いことを諦めてヒールを履いてからは武器として使っています。

身長が高く足のサイズが25.5cmで可愛い靴がなかったことが靴のブランドで働くきっかけになっています。男の人の方が(身長)高くなくてもいいや、と。

――私も身長がめちゃめちゃ高いんですよ。vanさんみたいにきれいになっても気になりますか?

気になってますね。今はあきらめて連れて歩きたい女を目指しています。ちっちゃくもかわいくもんれないんだったら、スっとやったほうがいいな、と。

――見ていて感じたのがドレスのシーンとか足の動きがすごかった。

元々モデルをやっていたので、自分の見せ方は分かっていました。それでも、世界大会前はウォーキングレッスンに行きました。1回だけ1時間集中して。

――私、半年間通った(笑)。

時間なくて。

――ほかの日本国内の参加者とか見て率直にどんな風に見えましたか?

世界の方が自分を出しているというのをすごく感じました。

今思えば、日本予選に出ている子でもお昼に普通に働いている子が多いんだな、と。私は昼間トランスジェンダーの船頭を切って働こうという人なんですけど、意外に普通にいるんだなーって。

でも、当たり障りなく暮らしたい人なんだな、でもMIQに出ることでカミングアウトして作りやすい世の中を作りたいんだな、と感じていました。

――よく使われる言葉で普通の女の子として「埋没」したいという。私もそういう時期があったんですけど生まれ持ったセクシャリティにコンプレックスというか葛藤とかありましたか?

わかります。わかります。普通の女の子ならうまくいかないこととかないんだろうな、と思ったこともめちゃめちゃあったし負けたくなかった。

大人が決めたルールにぶちこまれるというか。今はMIQ2019日本大会優勝として大人が作ったルールをぶちこわせていければいいな、と。

――ミスジャパンとして?

日本て硬いじゃないですか。私が表に出ることで受け入れやすくなるといいな、と思ってます。

――国内大会に出る直前とかどんな感覚でした?

今回は(情報がなくて)そういうのわからなくて、大会は楽しもうと。

「負けないぞ」、という気持ちはあったんですけれど、エントリーナンバーが早かったので他の人が何をやっているかわからなくて。バックダンサーやヘアメイクさんに仲の良い子を呼んだのでリラックスできて。後は来たからには「やるしかなくない」、と。

――審査員にアリサ会長とジェニファーが来ていたんですけれどどう思いましたか。

ぱっとみて綺麗ーって。アリサさんはすごい優しい方だなと。

――日本大会で優勝してみてどう思いましたか?

やばいーって。世界大会が3月7日と決まっていて、2月にタイへ行かないといけない。時間がないーって。

――気を付けたことは?

なるべく空いた時間にアプリで英語をやってました。あとはドレスの手配とかでいっぱいいっぱいで。

お昼働いて夜もパルテノで働いているのですが、それがおろそかにならないようにしていたので。いっそがしなー、ぐらいです(笑)。ダイエット関係なく痩せていくみたいな。

――トランスジェンダーとして治療を始めたのはいつごろからですか?

ホルモン始めたのは東京でてきたからなので8年前ぐらいです。遅いんですけど、知識がなくて・・・。とりあえずホルモンをはじめて。精神的には来なかったんですが、ホットフラッシュは来るようになりました。

ほんとは今年春にSRSする予定だったんですけど、仕事が忙しくて延期しました。

今後は、オペについても取材いれたいな、と。知識やダウンタイムなんかってなかなか的確なものがでてこないじゃないですか。だから、発信したいなと。でも、自分に発信力がないと意味がないから、今はSNSだったりそういう自分のブランディングというか見せ方は気を付けています。

――トランスするうえで何を重視してきましたか?

顔は私は何もやってなくて。変わっていくにはメンタルも大事だと思うし、プラスで周りが大事だと思う。私は支えてくれる友達が多くて、その子たちがいなかったら今の私はいない。

例えば、パルテノではマイカさんによくしてもらっていて。上下関係はあるけどあんまりなくて。「お姉さまー」っていじってます。マイカさんが過去にMIQへ出ているので色々教えてもらいました。頼ってます。

後は気合ですね。体が変わっていくことは時間、お金がかかるから。ダウンタイムがきつい豊胸の時とか痛くて「ころしてーって(笑)」。

――世界大会に行くと世界基準というか日本と全く違うじゃないですか?ほかのコンテスタントを見てどう思いましたか?

なんかLGBTじゃなくて普通のミスコンに出ている感じでした。

――世界大会ってどりあえず忙しいし、深堀して考えていく余裕がなくて。大会出るまでにほとんどトランスジェンダーと呼ばれる人と会ったことがなくて。みんなもっと外国人ってオープンだなーと思ったら意外とシャイな人も多くて。

そう。普通の女の子だな、って思いました。

――大会へ出て変わったことはありますか?

広い目で見られるようになったというか。いきなりスケジュール変わったりするじゃないですか?そういうのに臨機応変に対応できるようになったというか。

――朝4時集合が7時になったり。しかも、わたしの時代って夜12時からみんなでダンス練習があったんですよ。メイク落として寝ると2時半、集合で4時半…メイクしていくとなるとほぼ寝る時間なくて。

今回タイへは2週間ぐらいって長かったんですけど、その分(さつきさんの時代より)1日の内容が減ったと思います。

――泣いている子とかものにぶつけている子とかいてメンタルトレーナーさんがついている会もありました。

私の時は穏やかというか、バチバチもそんなしておらず、いやな感じがなく。

――靴を隠されたとか(そういうのもなく)。

それは聞いたことがあります。

――日本と違って盗んだやつを履いているんですよ(笑)。覚えてないけど、返せって言ったのかな。

ぎすぎすしていたんですね。

今大会で知り合った子とはSNSでもコンテスタントと連絡を取り合っています。フィリピン、ミャンマーとかアジア圏の人とは仲が良くなりました。笑のツボが同じというか。特にインドネシアの子が見た目強いんですけどやばくて、ずっと笑ってました。

すごい忙しい+激しい大会と聞いていたんですけど、実際行ったら楽しいじゃん、楽しんじゃおうと。

――出てよかったですか?

出てよかったです。めっちゃ。

ベスト6というのがちょっと悔しいので。絶対1位になりたいからもう一回行こうかなーと。力つけて。


――私たちの時代はトップ10ぐらいからいきなりトップ3だったんですよ。去年ぐらいからベスト12、ベスト6、ベスト3になったんですよ。

タイはベスト3に入るじゃないですか。アメリカ代表が黒人の方が今までにいないタイプでぐいぐいきていたので気を付けたほうが良いと聞いていたので、ベスト3で中国の方が最初に呼ばれたときに、あー終わったと。(編集部注:結果的に残り二枠に入ったアメリカ代表が優勝した)。

――私は2回大会に出ているんですけれど、年々大会のレベルが高くなっていると思うんですよ。

めっちゃ綺麗な子が増えた。フィリピンの子とか超タイプで。その顔なりたいんだけどー、と。

ほっそ、顔ちっちゃみたいな子ばっかりでした。

――大会ではジャッジメントルームという面接があります。

英語の通訳を使うなと言われて、えーって。通訳の意味ないじゃん、と。

日本で何しているの?、家族はあなたをどう受け入れていますか?とかそういった質問でした。靴売ってます、といったら食いついてきて。

――私たちの時代はそこまででトップ10ぐらいがほぼ決まって。あと、スピーチはしましたか?

ベスト6の時にしました。今、自分が今いる現在といない現在を想像してください、みたいな。通訳さんも困っていて。ベストアンサーがいまだにわからなくて。

英語が喋れないのが辛かったですね。お客様に感情が伝わらないし、こっちにも伝わりづらい。だから、英語の勉強をやろうかなと。

――私も大会に出たときは英語ほとんどできなくて。今はそれもあって日常会話ぐらいだったらできるようになったんですけど。

結構大変ですよね、まじかというか。香盤表みてなんとなくJAPANここだ、と。

――日本に帰ってきてどうですか?

自信がついたというか、まだやれるなと思いました。年齢的に諦めかけていたこともあったけど、まだやれるなと。

今、人生ちょっと辛いと思っている人の励みになればいいなと思います。

――夢ってなんですか?

夢は発言力を持つ人になって今の日本の状況を変えたい。

結構、大学でLGBTを受け入れますとか、そういうのがニュースになって、受け入れるのが偉いじゃなくて…。

日本で性同一性障害ていうものを作るんだったら補助をするべきだし、今あるものをすべてぶっ壊したいですね。

あとは、LGBTの幼少期の子供を持つ親へアドバイスとかしたいです。

とりあえず、「否定はしないで」と。

あとは女の子になるんだ、という話だったらネットだけに頼らないでとか。

――20代でそんな気が付けない子が多いと思うんですよ。トランスとかに限らず普通の女の子でも。誰かが作った価値観に合わせていく子がほとんどだと思うんですけど、vanさんはそれを打ち破っていくというか。

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