女声・女性らしい声の定義って?

  • 西原 さつき
  • photo by

    Yamagishi

乙女塾を立ち上げてしばらくしてから「女性らしく聞こえる声のやり方を教えて欲しい」といったことをよく相談されるようになりました。よくネットだと「女声」や、もしくは「両声類」といった表現をされる声です。

当初の乙女塾はメイクや写真撮影が中心でボイスは基礎的な内容が多かったのです。なので1年ほど歌のボイストレーナーさんのもとに通ってしっかり勉強してから「ボイスレッスン」として始めることにしました。

コンデンサーマイク

続けていくうちに気が付いたのですが、歌い方と話し方には大きな差があると感じて(今思えば当たり前なのですが……)のちに声優学校にも通うようになりました。

女声の定義とは?

あくまで私の考え方なのですが、ネットなどでよく耳にする「女声」と呼ばれるものの明確な定義は無いと思っています。

ファッションの世界ではメンズやレディースといったように明確に分かれている性の境目が、声の世界ではそんなにハッキリとは分かれていません。声優の世界でも、女性が少年役をやるように、性別の境界線がわりと曖昧です。たまに男性声優が女性役もやったりします。

ただ、とは言っても「なんか男っぽいよね」とか「なんか少女の声だね」といった“なんとなく”という感覚はあります。

この“なんとなく感じる声”という、正体が曖昧なものについて考えるのが、ボイストレーニングです。声の性別や、年齢感をコントロールする技術。それらを身につけるんですね。

「女性の声は高くて男性の声は低い」は正しいのか

生徒さまの中には、よく声の「高さ」について気にされる方が多いです。男性の声は低く、女性の声は高い。そんなイメージをお持ちの方は多いと思います。

特に男性の方は思春期に変声期を迎えることが多いので、一般的には女性よりも声が低い傾向があります。(そういうと裏声で話し始める人がいます。人間は声の高さだけで女性の声に聞こえるようになりませんので注意が必要です!)

声の高さについては諸説ありますが、乙女塾のボイスレッスンでは以下のような定義を1つの尺度として用います。

・男性的な(力強い・野太い)声【約90〜200ヘルツ】

・女性的な(透き通る・繊細な)声【約220〜400ヘルツ以上】

ヘルツ(Hz)というのは音の高さの単位で、周波数と呼ばれるものです。

よく論文などで「中性的な声」と表現されているのは220ヘルツ前後で、まずはこの音をキープすることから始めます。(音楽の世界では「A3」と言われる音です。ト音記号の「ド」から2つ下がった「ラ」の音です)イメージですが、女性が少年役を演じる際に用いたりする音域がこの辺りです。

※アプリなどで音を確認できるものも多いので、お家でも試してみて下さい!

これらを瞬間的に出せる方は多いのですが、長時間キープすることが重要です。それには一定量の筋肉(表情筋・喉周辺・腹筋など)が必要で、さらに会話の内容も意識する集中力が必要になってきます。慣れてない方ですと3分も持たないこともあります。

次回はトレーニング方法を紹介していきますね。

西原 さつき の記事

西原 さつき の他の記事はこちらから

RECOMMENDED

乙女塾のメンバーのオススメ。読んでね!

top