漫画やアニメにはTSFと言うジャンルがあります。TSFはトランスジェンダー・フィクションの略で異性への性転換を扱うフィクションのジャンルにおける略称です。
1990年代後期インターネット黎明期にはもうこの言葉があり国内外に専門サイトがありました。当時は「該当作」が少なく、マニアは寄り集まって情報を整理・収集していたものでした。
とはいっても、サブジャンルも様々。「憑依」、「入れ替わり」と言ったフィクションならではのものが人気でした。手術や魔法で本人が女性になるもや「ぼくらのへんたい」「放浪息子」みたいなメンタル的な話にまで切れ込んだ作品は余りものでした。また、実際には女装、男の娘ブーム以降はそのあたりも含んだりちょっとあいまいな部分があります。
フィメールの逸話とは?
若い頃行動に移せなかった私は漫画、アニメを集めてその気持ちを紛らわせていました。さて、その中には時代的に早すぎた作品というものがあります。その1つが昭和58年に出た「フィメールの逸話」(鈴木雅子:作)です。
いわゆるわかりやすい昭和の少女漫画の画風で「憑依」もの。
話の内容としては「自殺した女の子が生き返ったが、その魂は交通事故で死んだ同性愛の男の子の魂が入り込む。彼女は男性時代には表せなかった恋する男性への感情を表に出して…」と言う話なのですが、ストーリーが考えさせられます。全二巻なのでとても読みやすいですよ。
隠れた名作にスポットを当てたい!
ここからは僕の意見です。
かつて古本屋で頑張って集めていたものが今の時代に権利がクリアになって配信されることはとても素晴らしいことです。ところが、現代のweb漫画は紙の漫画よりもさらに隙間時間に読むので「絵柄がふるい」「子供っぽいギャグマンガ」などなろう系のような潮流のもの以外がとても受けづらい印象があります。それで、深いんだけど今っぽくない漫画が打ち切られたり、大人でもうなる作品が余り受けなかったりちょっと悲しいことになっていると感じています。
その中で推すべき作品は微力でも紹介しようと思って今回1作品のみですが紹介させていただきました。是非一度読んでみてくださいね。