前回、プレマリンやプレモンのような馬由来の女性ホルモン製剤は、血液検査でエストロゲン(E2)の値が治療実態を反映しにくいなどの理由から、オススメしにくい旨をお伝えいたしました。
池袋真医師によると、あわせて注意したいのが、エチニラやスーシーに含まれる「エチニルエストラジオール」だと言います。これらは合成エストロゲンと呼ばれ、月経困難症の治療や避妊を目的とした「低用量ピル」などに配合されております。
しかし、エチニルエストラジオールは、血流中のエストラジオールの濃度を測定する血液検査のE2(エストラジオール)値としては反映されにくいことが多く、E2の数値だけで効き目を判断しにくい場合があります。そのため「効いていない」と誤解して増量し、オーバードーズにつながるケースも見られます。
さらに、天然型のエストロゲンと比べて、血栓症リスクや肝臓への負担が問題になりやすい点にも注意が必要です。また、ピルは本来、避妊や月経症状の改善を目的とした薬であり、女性ホルモン補充の代わりにはなりません。スーシーに含まれる酢酸シプロテロンには抗アンドロゲン作用があるため、男性ホルモンを抑える目的で服用されている方もいますが、重篤な副作用の報告もあるため、自己判断での使用は危険で、慎重な判断が必要です。
シスジェンダー女性においても、エチニルエストラジオールを含むピルは、35歳以上で喫煙している場合、血栓症リスクの観点から原則として推奨されません。
ご参考情報
シスジェンダーの女性がピルを内服した際の女性ホルモン量の変化です。
https://kichijojiclinic.com/column/pill_nikibi/
この情報は、乙女塾が作成致しました「女性ホルモンはじめてBOOK」にも一部掲載されています。今回の記事はその中に記載の池袋真先生の情報を、本人監修の元で乙女塾内でさらに詳しくアップデートしたものです。

話を聞いた人
医師
池袋真
パーソナルヘルスクリニック横浜院 院長
産婦人科専門医。GI(性別不合)学会認定医🏳️⚧️専門はジェンダー医療。WPATH/EPATH会員。Gender affirming careを勉強後、4つのクリニックにてジェンダー外来開設。【上野/横浜】パーソナルヘルスクリニック【横浜元町】女性医療クリニックLUNA 【大阪天満】いだてんクリニック。
