ゆりです。前回、スパリゾートハワイアンズに行くことにはまってしまった話をしました。
まだまだ全国には素敵なレジャー施設がたくさんあります。その１つが、今回の舞台となる「東京サマーランド」です。
ハワイアンズもサマーランドも、全天候型の大型プール、「流れるプール、屋外プール、多種多様な多彩なウォータースライダーなどをそろえた総合リゾート施設で共通性が強いのです。
近年、各地で市民プールや巨大プールの閉鎖が相次いでいます。東京圏でも、昭和記念公園のレインボープールやとしまえんなど有名なプールがなくなっています。そういったなかで、東京サマーランドは元気です。昨年秋から大規模改修のため休業していましたが、３月29日にリニューアルオープンしました。そのサマーランドがLGBTQ+フレンドリーで“トランスジェンダーにも優しいこと”は意外と知られていません。
東京サマーランド「施設の概要」
住所： 〒197-0832 東京都あきる野市上代継600
アクセス方法： 秋川駅からバス10分 八王子駅からバス30分
圏央道あきる野ICのすぐそば
主な施設： 屋内プール、屋外プール（夏季のみ）、温浴施設、遊園地などを設置
※宿泊施設はありません
屋内は季節を問わず「常夏」です。
屋内・屋外に各種スライダーがあり、特徴のあるものが多く楽しめます。温浴施設は天然温泉ではないものの、実質的には「水着ではいる温泉」のようになっています。複数のジャグジーや打たせ湯があります。
6月29日には屋外に新プール「MONSTER STREAM」 がオープンすると告知されています。どんなものができるのか、楽しみです。
東京サマーランドには「ALL GENDER DRESS ROOM」がある
トランスジェンダーにとって最も重要な施設です。サマーランドのHPや案内図には「みんなの更衣室」と表示されていますが、現場にはALL GENDER DRESS ROOMとの案内もあります。
チケットゲートの内外に１カ所ずつ、２カ所設置されています。内部をみるとは、車椅子での利用をメインと考えているように思えますが、「障がい者用」というわけではありません。「ALL GENDER」ですからね。
ゲート外のみんなの更衣室
ゲート内のみんなの更衣室
トランスジェンダーにとって更衣室の問題は深刻で、こういった施設のあるなしは、施設利用の可能・不可能に直結します。とにかく、有り難いのです。
「みんなの更衣室」がサマーランドにある背景
「みんなの更衣室」ができた背景には何があるのでしょうか？公式なプレスリリースを探しましたが見つけることができませんでした。そこで、あくまでも私の推測に過ぎないのだけれども考えてみました。
東京サマーランドの運営会社は、東京都競馬株式会社の100％出資子会社です。そして東京都競馬株式会社は東証プライムに上場していますが、東京都などの公的機関が40％出資する第3セクターなのです。ですから、純粋な民間施設ではなく公共施設としての性格があるのです。
東京都の人権条例（東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例）には、「誰もが認め合う共生社会を実現し、多様性を尊重する都市をつくりあげるとともに、様々な人権に関する不当な差別を許さない」「性自認及び性的指向を理由とする不当な差別の解消並びに性自認及び性的指向に関する啓発等の推進」「都、都民及び事業者は、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取扱いをしてはならない」と規定しています。
みんなの更衣室には、この条例の精神が生きているように思えるのです。
すべりゾート共同宣言
私がサマーランドに注目した切っ掛けはハワイアンズにあります。 2022年夏に、ハワイアンズとサマーランドのコラボ企画が実施されました。それをハワイアンズのwebサイトで見たことから、サマーランドのwebサイトにジャンプしました。そして「みんなの更衣室」を見つけたというわけです。
このコラボ企画は、共通チケットの販売やプールアイテムの相互交換利用、サマーランドでフラガールのショーを開催、ハワイアンズのショーにサマーランドのマスコットとが出演など多彩なモノでした。
それらの中でもっとも目立ったのは『すべりゾート共同宣言』です。「スライダー好きの、スライダー好きによる、スライダー好きのための施設」として、2022年夏のレジャーを盛り上げるようという企画です。
前回書いたように、スライダーをすべっている時、自分の体が視界に入っていて「胸を晒していない」という癒やしがあるので、スライダーに反応してしまうのです。「スライダー好きの、スライダー好きによる、スライダー好きのための施設」という触れ込みが魅力だったのですね。
まとめ
繰り返しになりますが、プールや温浴施設はトランスジェンダーにとってハードルの高い施設です。人目のあるところで水着を着るのも易しいことではありません。
もちろん構造的に難しいことは多いです。しかし、なんとかそれ乗り越えることが出来る設備があれば、自分自身の問題として突破することが可能になります。
勇気が必要です。臆する人が多いと思います。でも、それを乗り越えると、生活の質が上がったと思えるようになるし、癒やしが得られます。サマーランドはそれをサポートしてくれる施設のひとつなのです。
