私が「スパリゾート ハワイアンズ」に通ってしまう理由

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    乙女塾

福島県いわき市常磐湯本にあるスパリゾート「ハワイアンズ」をご存じでしょうか?。

ホテルに温泉とプールといったテーマパークが併設しており、トランスジェンダーには水着、温泉とハードルの高いカテゴリーです。でも、私はハワイアンズのヘビーユーザーです。もう5年以上「通い詰めている」状態です。

自宅から車で2時間以上かかるので近いとはいえない。行けば、トランスジェンダーゆえの不都合も起こります。ですが、それを上回る「癒やし」があるのです。その理由を説明していきます。

ハワイアンズって何?

スパリゾート「ハワイアンズ」は、福島県いわき市常磐藤原町、湯本温泉にある巨大温泉施設です。公式HPには「4つの宿泊施設と魅力いっぱいの6つのテーマパーク、笑顔あふれる常夏の楽園。フラガール・ファイヤーナイフダンサーのポリネシアンショーは必見です。」とあります。

常磐道湯本ICのすぐそば、常磐線の湯本駅から送迎バスが出ています。宿泊者は首都圏各地からの無料送迎バスが使えるので、交通費の心配もありません。

「6つのテーマパーク」とありますが、カテゴリーで分けると、水着ではいる温泉、裸ではいる温泉、プール、ウォータースライダーの4つです。

スライダーで最も強烈なのは「ビッグアロハ」。全長: 283m、高低差: 40.5mという日本最大のボディースライダーです。黒くて外の見えないチューブの中を浮き輪に乗ってすべる「マウナブラック」もスリルがあって楽しいです。

「4つの宿泊施設」のうち施設内にあるのは3つです。客室のバリエーションが豊富なホテルハワイアンズ、プールに一番近いウィルポート、プツプラホテルのモノリスタワーです

トランスジェンダーにも優しい

ハワイアンズは日帰りの利用もできますが、宿泊を前提とした施設です。ですから、(女子更衣室を経由せずに)ホテルの自室から水着のままでプールに行けるというメリットがあります。つまり、更衣室の心配がないということです。もちろん、人目のあるところで水着になるということはかなり大変なことで、なかなか踏み出せないという人も多いと思いますが、それは自分自身の問題で、それを乗り越えれば、施設的には問題がないということです。

水着ではいる温泉ゾーンではゆっくりと温まることができ、気持ちが良いです。ただ、屋外にある浴槽が多いので、冬場はヒートショックの心配があるかも知れません。

このゾーン内にはサウナもあります。サウナも一般的には男女別の施設が多いのでトランスジェンダーが気軽に入れる施設は貴重です。

バス付きの部屋に泊まれば、自室で温泉につかることが可能です。あと、シングルルームがあるので1人でも行くことができます。ただし、シングルルームはバスなしです。

大プールなどのあるドームの天井はレインボーカラーになっています。これは虹かフラガールのシンボルであるためです。セクシャルマイノリティーに配慮した結果ではなさそうですが、悪い気分はしません。

温泉はやっぱり不都合?

当然、裸ではいる温泉ゾーンは不都合です。それに関連してやっかいなことがあります。

コロナ禍の営業縮小によって、屋外にある水着ではいる温泉ゾーン「スパガーデン・パレオ」が17時で終了するようになったのです。月を見ながら温泉につかるのが好きだったのですが、今それはかないません。月見ができないことより深刻なことは、パレオが終了すると、屋内の水着ではいる温泉ゾーンが、裸ではいる温泉ゾーンを経由しないと行けなくなってしまうのです。これは痛い。

さらに、メンテナンスで施設の一部が終日閉鎖になることもあるのでスケジュールの確認は必須です。今年もパレオは2月13日から22日まで10日間も閉鎖が続きました。この状態になると、大プールの脇にある小さな温泉浴槽でしか暖まることができなくなります。

ハワイアンズが癒やされる理由

人それぞれではあると思いますが、学校の制服とプールはほとんどのMtFにとって最も深刻な問題の一つであると考えられます。ハワイアンズはその「プール」があります。そこに通うってしまうというのは、矛盾しているといわれると反論しづらいです。

ウォータースライダーにのっているとき強く感じるのです。滑っている時に前方を見ると、当然に自分の体が視野に入ります。そこで確認が取れるのです「胸を晒していない」と。それにものすごい安心感があるのです。子供の頃にできた傷が癒やされるような気がするのです。「江戸の敵を長崎で討つ 」とでもいうか、それなりの回復感があるのです。水着ではいる温泉ゾーンやサウナでも同じです。「人の目に付くところで、女の子の水着を着ている」 当たり前のことを当たり前に実行できるのです。

ハワイアンズのゲストウエアは男女の差が明確です。男性はアロハシャツにハーフパンツ、女性はムームー(ハワイ流のワンピース)です。色や柄はホテルごとに異なります。初めて「ゆり」で予約して部屋にムームーが置いてあるのを見たときは、涙が出るほどに嬉しかったです。これも癒やしなんですね。

ハワイアンズを楽しむ私の行動パターン(2泊3日の場合)

1日目

自宅を朝7時に出ます。ハワイアンズ到着9時半が目標です。そしてフロントで受付をし、施設の入場券とホテルのインビテーションカードを受け取ります。営業時間は10時ですが、宿泊者は9時40分から入場できるのでそれに合わせるのです。荷物をクロークに預けプールに向かいます。部屋にはまだ入れませんから、自宅から水着を着ていて、その上にブラウスとスカートを重ねています。大プール脇のコインロッカーの前で上をさっと脱ぐだけです。

初日はスライダーの乗り放題券を買ってひたすら滑ります。前述の如く癒やしがあるからです。続けて滑ってくたびれると、水着ではいる温泉に浸かって休憩をとります。ビッグアロハの登り口には階段が121段、そのほかのスライダーは91段あります。これを10回も上ると完全に体力勝負です。でも苦にせずやってしまいます。だいたい1日で3000段くらいは上ってしまいます

13時までには一旦上がって、13:30からフラガールのショーを見ます。最近、上級の有料席で見ることが多くなりました。フラガールとの記念撮影という特典があるからです。水着のままで撮影するのはちょっと度胸がいりますけど、満足度は高いです。14時過ぎにショーが終わると、Tシャツ1枚羽織ってフロントへ行き、ルームキーを受け取ります。自室で一服し、水着を着替えて、再びスライダーに向かいます。午前と同じことをやって力尽きると終了です。

17時もしくは19時から夕食です。どのホテルもバイキングで料理は充実ししています。もちろん、モノリスタワーは宿泊料が高い分料理のほうもプチプラです。いずれにせよ、いじきたなく食べ過ぎになることが多いです。

20時30分から夜のショーを見ます。上級席には行きません。翌日にとっておくためです。夜のショーのあと、バス付きの部屋の場合は、自室の温泉に浸かります。体力勝負をしていますから、布団に潜るとあっという間に寝てしまいます。

2日目


ゆっくり起きます。メイクをして朝食をとりにレストランに行きます。プールの入場は9時40分からなので余裕があります。2日目はスライダーは滑らず、水着ではいる温泉ゾーンでのんびりします。夜間に月を見ることはできなくなりましたが、昼の山の景色が良くて、気分は爽快です。普通の浴槽とバブルバスを行ったり来たりします。これ「サウンドバス」と称していてヒーリングミュージックがかかっているんです。これがなかなかに良い。サウナにも行きます。12分が限界ですが、汗を出すのが心地よいです。

昼に自室に戻り、水着を着替え2回目のメイクをします。ほぼ完全に落ちてますからね。 13時30分から再び昼のショーを見ます。有料席に行くかは気分次第です。

ショーの後は午前と同じく水着ではいる温泉でくつろぎます。

夕食の後、3回目のメークをして衣装を整え、夜のショーに向かいます。これは有料席にします。ショーの後は前夜と同じです。

3日目

ゆっくり起きます。朝食の後チェックアウトまでゆっくりし、そのまま帰途につきます。当然、プールに入場することはできるのですが、帰るときに更衣室の問題がやっかいなので、そこは割り切って諦めます。ハワイアンズの近くには、水族館・アクアマリンふくしま、マリンタワー、国宝白水阿弥陀堂など有名なスポットがありますので立ち寄ることは可能です。6時半から朝食をとって早々にチェックアウトし、そのまま職場に向かったこともあります。

お勧めするポイント

最大のポイントは子供の頃にできた傷を埋めてくれることです。更衣室という最大のストレスから逃れられるのも魅力です。シングルルームがあるので1人でも行けます。

トランスジェンダーの性質からいって、余り混雑していると視線が気になりますから、平日がお勧めです。平日だと宿泊料が安くなります。巨大な施設ですので、この記事で紹介した施設以外にも色々なものがあり、好みに合わせて楽しめます。

重ねて申し上げるのですが、水着で施設内を歩くということ自体のハードルは高いと思います。なかなか踏み切れないと思うのはやむを得ないことです。でも。そこで1歩を踏み出すことで大きな利益が得られます。チャレンジあるのみです。

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