SRS手術でアテンドを使う意味「アクアビューティ」に正直に聞いてみた

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海外の渡航制限がなくなったことで、再びタイでのSRS(性別適合手術)を考える人が増えているように思えます。

今回は2022年夏に行われたSRS交流会でゲスト参加をしていただいたアテンド会社を1つずつスポットをあてて紹介していきます。

まずは、「Aqua Beauty(アクアビューティ)」です。

(取材日:2022年8月21日、インタビュアー:ヤコ、ふみか、みなみ)


(乙女塾運営部、以下略)ーー先日は交流会の参加ありがとうございました。アクアビューティの代表取締役である理江さんのことと、アクアビューティのことを早速教えていただけますか?

(アクアビューティ理江、以下略)アクアビューティは2021年12月まで、株式会社アイドマプランニングの海外美容整形部門を扱う「アクアビューティ事業部」でしたが2022年1月から有限会社アクアビューティとして独立した会社になりました。

アイドマプランニングは大阪の会社で創業40周年を2021年に迎えました。元々アジアの国々から衣料品を輸入し、販売するアパレルの商社だったのですが、そのうち美容整形を取り扱う様になってきました。

性別適合手術(SRS)の取扱いについては、22年前にアイドマプランニング社長の坂田が、ヤンヒー病院で美容整形の説明を受けているときに、性別適合手術も美容整形のメニューとして取り扱っているということを知ったことがきっかけでした。

22年前の日本では特例法も制定されていません。すなわち、国内での性別適合手術は合法では行われていない時代でした。


アクアビューティバンコク

ーーそこからどうやってアテンド業へとつながったのでしょうか?

なので、本来だったら「タイではそういう手術を受ける人もいるんだ」という感想だけで終わったかもしれないのですが、偶然にもアイドマプランニングのスタッフにカミングアウトして女性として働いていたスタッフがいました。坂田がそのスタッフにヤンヒー病院の性別適合手術のメニューを紹介し、ヤンヒー病院とそのスタッフをつないだのがアクアビューティ事業部のアテンドサービス開始のきっかけと聞いています。

私(理江さん)自身もアクアビューティ事業部のアテンドサービスを利用してタイのヤンヒー病院で手術を受けた「顧客」でした。


ヤンヒー病院スキット医師との写真

その時のアクアビューティスタッフのミドリの温かさにふれて、帰国後何かお手伝いしたいと考えたのです。アクアビューティ事業部の事務所が東京にもあったものの、私が帰国してしばらくすると事務所移転により東京からなくなったため常駐スタッフがいなくなっていました。そのこともあり、帰国3年後にちょっとしたお節介からアイドマプランニングの外部スタッフとして東京でのアクアビューティ事業部窓口としてお手伝いを始めました。

ーーお手伝いからの参加だったのですね。そこから、社長へと転身されるとはすごすぎませんか?

2022年にアクアビューティ事業部が会社となり、私が代表取締役となりました。同時にタイのアテンドスタッフのミドリがアクアビューティ・バンコクの代表になりました。

より柔軟な金額設定、ヤンヒー病院の美容商品の通信販売の開始など幅の広い事業として成長させると共に、タイ・東京・大阪それぞれの拠点でのスタッフ育成も力を入れていくように目指しています。

ーーアテンド経験者で数多くのMtFの相談を受けてきた理江さんが会社の代表となることで、より当事者に寄り添った形での事業展開ができる様になる訳ですね。一方で、アテンド会社を使わないでタイで手術をする話もちらほらと耳にします。アテンドをお願いすると手術代に加えてアテンド費用がかかるわけですが、アテンドを利用した方がいいケース、アテンドを利用しなくても良いケース、どの様に考えるといいのでしょうか?

私の経験上、アテンドを利用しなくても良いケースは
* 他人とコミュニケーションを取るのが得意な方
* 物事を常に楽観的に捉えることができ、いろいろなトラブルを自分で解決できる自信のある方
* 医療用語の会話が困らないくらい英語が堪能であること
* タイ語での細かいニュアンスが理解できる・伝えることができる事
です。

ーー乙女塾のメンバーも皆さんアテンドを使うか、どの会社を選んだかは人ぞれぞれです。ゆーこは実際にアテンドを使わずにSRSを受けに行きました。彼女はコミュニケーション力やピースフルなマインド、語学力が確かに高い方かもしれません。

アテンドを使わない場合、基本的には自分で手術の予約をして、手術料金を現地で支払う必要があります。

英語に自信があれば大丈夫と思う方もいらっしゃるかもしれないですが、病院のスタッフはタイ語がネイティブであるため、細かいニュアンスを伝える場合にタイ語の能力が必須になってきます。

また手術後にトラブルが発生することも考えておかないといけないです。その場合自分の身体が猛烈に痛くても、緊急を要するトラブルを抱えている状態でも、英語でコミュニケーションを取らないといけません。そのような緊急事態でも、病院の看護スタッフさんの全てが英語でコミュニケーションがとれるわけではないので、もしかしたらタイ語でのコミュニケーションを取らないといけない場面も出てくるかもしれません。

ーー病院によっては日本語がわかるスタッフがいらっしゃるこということも耳にします。

ガモン病院にて
ガモン病院とヤンヒー病院には日本語のわかるスタッフがいらっしゃいます。ただ、ガモン病院では1名だけのようですし、ヤンヒー病院のスタッフさんは数名いますが、日本語ネイティブというわけではないので注意が必要です。

ガモン病院の日本語のわかるスタッフは、一名しかいらっしゃらないようなので、休暇を取って不在のこともあるでしょうし、基本的には勤務時間内での対応であり、また、複数名の日本人の方が患者さんとして入院している場合、他の人の対応中の時には、対応が後回しになってしまいます。

アクアビューティでは、対応は24時間いつでもOKで、アテンドも複数人体制で対応しています。同時に対応できる上限を超えないように患者さんのスケジュールを組んでいるため、緊急時に後回しになるということは基本的にありません。

ーー異国の地で状況がわからない中で後回しになった時の不安感は想像するだけで高いですよね。

また、病院側もアテンド会社を通して入院しているということでリスクが少ないと考えている様ですよ。

病院から見てもコミュニケーションがとれないことはそのままリスクになります。トラブルに対する詳細な説明や付き添いが必要な場合に病院スタッフではなく、アテンドの力を頼ることもできますからね。

ーータイ語・英語にそこまで自信が無い場合、タイの病院で大きな手術をするとなると、日本語でコミュニケーションが出来る自分専属のスタッフの存在は頼もしいですね。

言葉の問題だけではなく、性別適合手術立ち会い経験も重要です。病院の事情を考えると、実は全スタッフが経験豊富というわけではなく、経験の深い人、浅い人、まちまちなのです。

手術中や診察にはもちろん経験豊富なドクターが立ち会いますが、入院中の対応は看護師さん・病院のスタッフさんになります。入院中の患者からの要望、手術部位の定期的な消毒は病院スタッフさんの判断での対応になり、手術後の体の違和感などがあったとしても、経験豊富なドクターと相談出来る機会は結構少なかったりします。

アテンドスタッフは病院スタッフ以上に経験豊富な場合も多く、特に弊社のミドリはそれこそ多数の患者の付き添いをしてきた訳なので、その経験からも病院ドクターからの信頼が厚いです。自分が納得いくまで経験豊富なスタッフと相談できる安心感。これがアテンドを利用していただく大きな点だと思っています。


アクアビューティバンコク2

ーー 自分専属のスタッフが経験豊富だという事はとても頼りになりますね。アクアビューティの料金プランに自己渡航サポートプランという、格安プランがありますね。こちらはどの様な方向けになるのですか?

英語が堪能な方でも大きなハードルとなるのは、病院初日に行うタイの精神科にてのカウンセリングや、執刀医の診察や説明時等のコミュニケーションです。手術結果が想定と違っていたら大きなトラブルとなります。同様に、手術予約に関しても内容や術式に間違いがあってはならないことですので、予約段階からハードルがあると思っていただいて差し支えないかと思います。

ーーありがとうございました。アテンドの意味がとてもよくわかりました。次の記事ではアテンド会社ごとに受けられる病院が違うと思うのですが、アクアビューティが推す病院とその理由などをお伺いさせてください。

アクアビューティ公式サイト:https://aquabeauty.co.jp/

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