SOGIESCを知って、自分のセクシュアリティを正しく表現しよう

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    乙女塾

LGBTQ+という言葉は、性的マイノリティを端的に表し、連帯するには便利な言葉です。でも“+”と言う風に省略されているように、ノンバイナリーも、アセクシャルも、パンセクシャルも省略された+の中にありますし、そもそも性的マイノリティじゃない人を表現する言葉がありません。

たとえば「100%自分のことを女性として自覚わけじゃなくて、30%ぐらい男性の部分も持っているかも」といった性のグラーデションを感じた場合、細かい自分のセクシャリティをきちんと表現する方法が欲しくなりませんか?

それがいま話題になってる「SOGI(ソジ)」「SOGIE(ソジー)」や「SOGIESC(ソジエスク、ソジースク)」という考え方です。

SOGIについては、過去に松本洋輔医師とのインタビューでも出てきて言葉ですのでそちらもご参照ください。

SOGIとは?

「性的指向(Sexual Orientation)」、「性自認(Gender Identity)」の英語のアルファベットの頭文字をとり「SOGI」という言葉が生まれました。「ソジ」と読みます。

2011年頃からLGBTに変わる概念としてSOGIが国際人権法などの議論で使われるようになったそうです。

「SOGI」だけでは足らないとして性表現の「Gender Expression」のEを加えて「ソジー(SOGIE)」と呼ぶ場合もあります。

SOGIESCで行う性別の因数分解

現在は、さらに拡大して「SOGIESC(ソジエスク、ソジースク)」として4つの軸から性別を因数分解しています。

その4つとは以下の通りです。

1.性的指向:Sexual Orientation:どの性を好きになるか(恋愛、性愛)(身体的に、自認的に)
2.性自認・性同一性:Gender Identity:自分をどの性だと認識しているか、性のアイデンティティともいう
3.性表現:Gender Expression:社会に対して表現する性、服装、言葉遣い、しぐさなど、社会的性別ともいう
4.身体的性別:Sexual Characteristics:出生時に外性器の形状で割り当てられた性別

これらは、男女二軸のパラメーターのなかにマッピングして、表すのですが、この辺からこの辺までとか、全くありません(たとえば好きになる人がいないアセクシャルとか)もありです。もっといえば、知的な人が好きになります(サピオセクシャル)初音ミクみたいなバーチャルなものが好きになります(フィクトセクシャル)なんて書き方もあります。

代表的なシートが「ジェンダーユニコーン」です。

ジェンダーユニコーンは、男←→女の二軸ではなく、別軸になってるのが特徴です。また性的指向を恋愛指向と性愛指向にわけて、アセクシャルだけど、アロマンティックじゃない(性愛はしないけど恋愛はする)みたいな表現にも対応できるようになっています。

生まれたときに決定された性別というのは、外性器のカタチから助産師や産婦人科医に認定され戸籍に登録された性別のことを言います。

三橋先生の「性」の多層構造論

明治大学講師の三橋順子先生は、このSOGIESCを、内面と表層にわけてどのようなカタチで、自分や他者が認識しているのかを、「性の3階層」として図で表しました。

「身体的性」とは、プライベートな深層にあるもので、身体の性別を指します。しかし、身体がどうなっているかはお風呂にでもはいらないとわかりません。SRSをしていたら、お風呂でもわからないわけです。そういう意味では非常にプライベートなものです。

次に「アイデンティティ」です。自分が一番認識するのが、この「アイデンティティ」であり、他者への性的指向と密接に繋がっています。

表象にあるのが「社会的性」です。他者が認識するのが、この「社会的性」であり、性表現がもっとも密接に関わっています。昔でいう「成り」ですが、社会によって認識された性別によって、人は「性役割」を与えられるのです。

まとめ

以上、SOGIESCで性別を理解し、それが自己と他者にたいしてどのような関係性で影響をあたえるのかが判ったでしょうか? SOGIESCは、性的マイノリティでないひとも表現することができます。

性というのは多様で、かつ多層的です。マイノリティ、マジョリティと言うよりも「水彩画で書いた虹色のようなもの」と表現した人がいますが、その通りかもしれませんね。

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