乙女塾ティータタイム 第1回「イシヅカユウ」さん パート1 モデルを始めたきっかけ

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さつきが、会ってみたい人、お話を聴いてみたい人とお会いして、美味しい紅茶とお菓子をはさみながらお話をする午後のひととき「乙女塾ティータイム」シリーズ。記念すべき第1回は、さつきさんが、以前より是非会ってみたい人として、モデルで俳優のイシヅカユウさんをゲストにお招きしました。綺麗にされたキッチンスタジオにお越して頂いて、二人だけのお茶会を開いてみました。

イシヅカユウさんは、浜松生まれの31歳。10代後半よりモデル活動をはじめ、ヘアケアブランド「パンテーン」のCMや、ファッションブランドのモデル、数多くのミュージシャンのMVなどに出演されています。最近では、トランス女性当事者がトランス女性役を演じたことでも話題になった映画「片袖の魚」に出演され、俳優としての活動も始められたことで、今とても注目を浴びています。

自らのことを「ツイ廃(Twitterのヘビーユーザー)」と表現されている通り、SNSでの発信も多く、彼女のライフスタイルや発言に勇気をもらっている生徒さんも多いと思います。そんなイシヅカさんの素顔に迫ってみたいと思って、今回お呼びすることになりました。

ご自身がモデルをされているブランドの白ブラウスに、黒いミニスカート、黒いブーツという出で立ちでいらっしゃったイシヅカさんは、絵にかいたようにクールビューティ。一見話しかけるには恐れ多い雰囲気ですが、意外にも初めての対談は大盛り上がりするのです。

そんな午後のひとときは「ティータイム」という言葉の通り、まずは紅茶選びから始まりました……。

モデルを始めたきっかけはこんなことからだった

さつき:イシヅカさん、今日は紅茶の種類がいっぱいあるんですよ。どれが気になりますか?

イシヅカ:どれも気になっちゃうんですけど……このパッケージの紅茶、香りが気になりますね。

さつき:あ、それは知人からプレゼントしてもらった紅茶なんです。フルーツフレーバーで、わたしはこの紅茶が大好きなんです。頂いてから毎朝飲むために10分早起きするようになったんですよ。

イシヅカ:いいですね。それでは、これでお願いします。

さつき:イシヅカさんって、こないだプロモーション動画の撮影でお会いして、少しだけご挨拶させて頂いたのが初めてでしたよね。一度ちゃんとお話ししたいと思っていたんです。ちなみに芸能のお仕事は、どのくらいやられているのですか?

イシヅカ:モデルの仕事をはじめて、ちょうど10年ぐらいです。2013年の秋ぐらいのPARCOでの展示が最初の仕事ですね。

さつき:ファッションショーですか?

イシヅカ:人間に服を着せてマネキンみたいになる企画に出演したのが最初でしたね。普通はマネキンでやるものを人間がやるようなイベントでした。

さつき:わたしが上京したのが、2013年なので、ちょうど同じぐらいの時期ですね。

イシヅカ:でも今まで交わらなかったですね。

さつき:モデルの仕事のきっかけは、なんだったんですか?

イシヅカ:サロンモデル(ヘアモデル)です。フリーで結構長い間やっていました。

さつき:たしかに髪の毛綺麗ですよね。

イシヅカ:いやいや、その頃は緑とかオレンジ色になることもありました。

さつき:そういうのは、どういうきっかけで声がかかるんですか?

イシヅカ:最初はデザインの専門学校からです。ファッションデザイン科でした。

さつき:ファッションデザインからだったのですね。

イシヅカ:同じ学校に通っている友達から「サロンモデルが合いそうだから」って急に誘われて、それが初めてのモデルだったんです。なので、ランウェイを歩くよりもそういうのから始めました。

浜松(出身地)ってめちゃくちゃサロンが多いんです。東京にもモデルの方っていらっしゃるじゃないですか? そういう感じでよく探していたみたいです。わたし、その頃レディ・ガガになりたかったんです。そういう系のファッション……例えば網タイツとか履いたりしていました。

さつき:イシヅカさんって、ファッションが本当に好きなんですね。

イシヅカ:そうなんです。ファッションが好きで、洋服が作りたかったんです。

さつき:なるほど。

イシヅカ:でも家庭の事情もあって、服が作れなくなりました。その後すこしフラフラしているうちに今みたいな感じで、ファッションに関わるようになったんです。

さつき:そういう流れで今に至っているのですね。

イシヅカ:そうなんです。

さつき:いつもはどういった所でお洋服を買われているのですか?

イシヅカ:たんぽぽハウスです。

さつき:あの古着の?

イシヅカ:そうです。あの安いところ。そういうお店って昔だったら何万円もしたボディコンのスーツとか、70年代のものとかあるんです。そういう家庭からでてきたようなものを地元にいた頃から探して……。

さつき:お洋服は月に何着ぐらい買うのですか?

イシヅカ:買わない時は全然買わないのですが……今おうちにある洋服がすごい量なんです。現場でも「使って下さい」といった感じで貰えるので。

さつき:じゃあ、お家の中は結構な数ですね。

イシヅカ:自宅に押入れがあるのですが、その中が全部お洋服だったり、友達の展示会で頂いたお洋服だったり。

さつき:好きなブランドとかありますか?

イシヅカ:そうですね。ISSEY MIYAKE(イッセイ ミヤケ)とかが好きです。

さつき:似合いそうですね。

イシヅカ:ビンテージのKENZO(ケンゾー)とか、メルカリで手に入れた70年代とか80年代の服もよく着ています。

さつき:そういうの好きなんですね。

イジヅカ:70年代でいうとBIBAっていうロンドンのブランドがあるんです。今でいうところのファストファッションに近くてお化粧品とか雑貨とかも出しています。そういう今はもう無くなってしまったブランドも好きです。

今日の服は、MIKAGE SHINさんの服で、ジェンダーとか環境とかそういう取り組みをしているブランドです。お仕事している中で、そこのお洋服が好きになってしまうこともあります。

さつき:本当にお洋服が好きでファッションモデルをやってらっしゃるのですね。作る側から、着る側へ立場が変わって、気がついたことってありますか?

イシヅカ:そうですね……デザイナーさんやパタンナーさんと話をしていく中で、洋服をつくることとか、世の中に出していくこととか、わたしってそういう中間的な橋渡しが嫌いじゃなかったのだなって思います。わたしも服が好きなので、自分の気質に合っていて、そういうことに関われるって良いですよね。最初に服を着られるっていうところも嬉しいです。

三段に積み重ねられたアフタヌーンティセットを頂きながら

イシヅカ:これなんですか?素敵!かわいいですね。これってカップとお揃い?

さつき:うん!これfrancfranc(フランフラン)なんです。

イシヅカ:わたしfrancfrancへの憧れがすごくあって、でもお部屋に合わなくてなかなか買えなかったんです。あ(紅茶を飲んで)良い香り!

さつき:(お菓子を指さしながら)オシャレでしょ?

イシヅカ:オシャレですね!そして、ちょっとしょっぱいものもあるのが嬉しい。アフタヌーンティーって、甘いのとしょっぱいのが両方あるんじゃないですか。それが大好きです。

さつき:普段行きます?アフタヌーンティって。

イシヅカ:大好きです。お金があるときは、自分へのご褒美で行ったりします。ホテルのラウンジとか。

さつき:わたしは行くよりも、こうやっておもてなしする方が好きかも。

イシヅカ:わたしも実は結構、料理が好きです。

さつき:週にどのくらい作っているのですか?

イシヅカ:今は時間があるから、ほぼ毎日作っていますよ。

さつき:得意料理は?

イシヅカ:結構何でも作れるのですけど、洋食が得意で、パスタを作りますね。イタリアンとか、エスニック料理も作ります。

さつき:カレーとか?

イシヅカ:わたし実はカレーのルーが苦手で食べられないのです。なので、自分で作ります。スパイスを買ったり、SBのカレーパウダーから作る事もありますね。ちょっとお高いけど、ココナッツの缶をいれて……。

さつき:わたし最近、全然料理できてない……忙しくなると1回(料理から)離れるじゃないですか? そしたらやらなくなるっていうか、自信が無くなってしまうんです。

イシヅカ:でもこうやってもてなすことが好きなら、出来そうですよね?

さつき:わたし、してあげたがりなんです。今日みたいに呼びつけておいて何なのですが……。笑

イシヅカ:わたし、もてなされるのは大好きです。この紅茶も、美味しいですよね。

さつき:良かった。最初はちょっと癖があるかなって思うのだけど、でもそれがあとから美味しくなるの。朝これを飲むために10分早く起きるようになりました。朝といえば、わたしは目が覚めても布団から出るのに30分ぐらい時間がかかるタイプなんです。

イシヅカ:いつも何時頃に起きているんですか?

さつき:結構早くて、朝の4時から6時の間とか。

イシヅカ:ルーティンとかありますか?

さつき:まず顔洗って、元気だった時はシャワーとか浴びていた。けれども最近サボり気味で……あ!そうそう最近ね、あれを買ったの。パナソニックのフェイススチーマー!

イシヅカ:それ、わたしも欲しいと思っていたやつです。

さつき:一番安い1万円ぐらいのやつですけど、すごく良いですよ。それで、髪をセットして。今日みたいにヘアメイクを丁寧に作り込みたい時は、大体2時間ぐらいかかるかな。一応、表に立つから、綺麗に見えるようにっていう気持ちはあるのですけど。大体シーズン毎にこのスタイルの服装って決めたら、ずーっとそればっかりなんです。なので同じ服が家に5〜6着はあるって感じになります。

イシヅカ:スティーブジョブス方式ですよね。イッセイミヤケのタートルネックが100着ぐらいあるみたいな。憧れます。わたし、これを着るためだけのアイテムとかあって「これはどうやって着るんですか?」みたいな服が増えてます。

さつき:わたしは逆に「今あるものの中から選ぶ」みたいなのに憧れるんです。

イシヅカ:でも、それって意外とすっごい時間かかりますよ。

さつき:いつもは出発の何時間前に起きるんですか?

イシヅカ:理想をいえば、3時間前。理想ですが……。

さつき:今日のファッションやメイクのポイントは?

イシヅカ:急に暖かくなってきて、アホ毛がすごかったので、一生懸命おさえてきたことかな。アクセサリーはKOTONAって言うブランドなんです。一見ただのチェーンなんですけど、色んな付け方ができます。これもKOTONAさんの展示会で見つけて。今日みたいにシャツに合わせてもいいし、ネックレスにしてもいいですし。

さつき:なんか、上級者って感じですよね。

イシヅカ:いえいえ。わたしは、これはどうやったら着られるかなって考えるのが好きなんです。昔とっても流行ったパレオっていうのがあって、ただ一枚の布を体に巻き付けて服にするんだけど、そういうのがとても好きです。

モデルから俳優へ、そしてレヴュースタァライト話で盛り上がる二人

さつき:イシヅカさんってファッションの世界にいらしゃって、いま活動の範囲が役者業に広がっていますよね。どこかで、元々演劇をやってらっしゃったっていう噂を聞いたのですけど……?

イシヅカ:高校の時は定時制に通っていて、大学みたいにシラバスがあって授業を選択しました。最短3年で卒業できるという結構新しい学校だったんです。

その高校の時の授業の中に、演技の授業がありました。身体表現と音声表現っていうのがあって、その授業の中で演技を始めました。

さつき:あれ、児童劇団出身って噂を聞いたのですけど……違いましたっけ?

イシヅカ:それってもしかして「レヴュースタァライト」の話じゃないですか? 

さつき:あぁ、それですかね!あのね、レヴュースタァライトっていう演劇学校を舞台にしたアニメがあって、わたしもすごく大好きなのですけど(とみなみに説明する。いきなり熱くなる2人)

イシヅカ:わたし、友達にリアルタイムで教えてもらって、今のアニメってあまり観ないのですがあまりに勧められるので観たら衝撃を受けて、ハマりました。

さつき:なんて言うか……演劇というものを内側から見る感じというか。表現者という存在がどんな感覚で舞台に立っているのか、という精神世界をアニメにしているんです。

イシヅカ:素晴らしい説明をして頂いて、ありがとうございます。

さつき:役者とか、舞台に立っている時に、いかに脳内でどんな戦いが、何がどうなっているかを、ちょっと抽象的に描いていますよね。

さっきまでクラスメートとして仲良かった二人が、急に弓矢もって戦い始めちゃうみたいな。えー、ちょっとついていけない、みたいなところもあるのですけど。そんなアニメには、ある決め台詞があって……。

イシヅカ:「ポジションゼロ」

さつき:「ポジションゼロ」

さつき:エヴァンゲリオンってあるじゃないですか?例えばあのアニメで表現されている精神世界を、物語の間ずっとやっている……みたいな感じです。

イシヅカ:劇場版ってもっともっとずっとすごいので、ぜひご覧ください!

さつき:推しは誰なんですか?ツイートしているの見た感じだと、天童真矢ですか?

イシヅカ:(頷く)なんかこう自分と重なる部分があるというか。

さつき:天堂真矢とイシヅカユウ……。

イシヅカ:重なる部分が在る人は、共感できますよね。表現している側として、すごく「そうだよね」っていうか。舞台版も劇場版も観ています。絶対そっちも観た方が良いって勧められて。

さつき:うんうん。

イシヅカ:舞台って客席からは広く見えます。けど、やはり舞台に立つことってそこに至るまでに努力しています。映像とかでも同じですよね? そういう意味もあってやはり何をやっても「そうだよね」っていうのがあって……いつも彼女がエンパワーメントしてくれる。

さつき:こういう表現とかの活動とかやっていると、どこか孤独だったりとか、常に誰かと争ったり競ったりする部分ってあるじゃないですか?そういうあるあるが詰まった作品っていうのがレヴュースタァライト。一時期、一緒の仕事仲間にもレヴュースタァライト良いよって勧めて、一応観てもらったんですけど。役者さんじゃないからか、なかなか響かなくて。

イシヅカ:そうなのですね。何話まで観てもらったのですか?とりあえず3話まで観てもらえると好きになると伝えてください!

さつき:分かりました。笑 その登場キャラクターの天童真矢って子が、多分クラスで一番実力のある子ですよね……何かランクが付けられていて。

イシヅカ;そうそう、トップスタァみたいな。

さつき:わたしを倒してみなさい、みたいな子。

イシヅカ:こういう人がいてくれてありがとう、って感じです。劇場版のBlu-ray持っているので今度お貸しします!

さつき:えー、ほんとですか!

イシヅカ:劇場版の編集ではあるのですけど、舞台版も良いです。

さつき:わー、それ観たいです!

イシヅカ:U-NEXTにもありますよ。

映像作品が好き、アニメも実写も別けて考えない

さつき:最近観ている作品でランキングをつけるとしたらどんな感じですか?

イシヅカ:最近の作品では、レヴュースタァライトが一番です。だけど、他も観ないというわけじゃないです。映像作品全般が好きで、アニメとか実写とかをあんまり分けて考えたりしないです。

さつき:映像作品が好きなんですね。

イシヅカ:そう、映像作品っていうものが好き。例えばドラマだったら「ビューティー7」っていう、まだソフト化されてない作品。伝説のエスティティシャン桃井かおりが、藤井隆がやっている老舗で斜陽のエステに派遣され、そこのエステを復興しようとする2001年のドラマです。

ほかには、R-17っていうドラマで、中谷美紀演じるスクールカウンセラーが赴任した学校の闇を解決していくが…‥という作品です。生物の先生が桃井かおりで、1話と2話のゲストが、最悪の教師にセクハラされる栗山千明。さつき:あー「キル・ビル」のゴーゴー夕張役だった人ですね。イシヅカさん「キル・ビル」に出演してそうですよね。

パート2に続く…

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