コロナ禍にあって爆売れしたリップがあります。「KATEのリップモンスター」です。
ドラッグストアや量販店のコスメ売り場で見たことがなく、Amazonなどではプレミア価格で取引されているなど発売からしばらくたった今もその状況は変わっていません。
乙女塾パートナーのかおりさんが「クリスマスだからかアイテム入荷したよ」というので、早速街へ買いに行きまして運よく最後の1本をゲットすることができました。
かおりさんの記事はこちらからご覧ください。
さて、このリップ何がすごいのか、そしてティントと何が違うのかを解説していきます。
ティントとリップ
唇のメイクには口紅、グロス、リップオイル、リキッドルージュなど多様な種類があります。どれを選べばいいのかわかりづらいですよね。
その中で、「ティント」というタイプがコロナ禍で注目されるようになりました。こちらリキッドタイプ、スティックタイプとありまして、一般的な口紅と見た目は変わりません。
では、何が違うのか?
ズバリ成分が違います。ティントは「染料」、つまり唇を染めるもの。そして他のタイプは「顔料」、つまり唇の上にのせるものという違いがあります。
染料ということは染まってしまって大丈夫なのか?ということですがご安心ください。ほとんどはクレンジングでとることができます。たまに残ることもありますが1日もすればすっかり消えていることでしょう。
ティントの良いところ・悪いところ
ティントの良いところは落ちないことです。マスクにくっついてもあまりつかない、飲み物を飲んだり、食べ物を食べても色が残ってくれる。今までのリップは、食事の度にトイレへいって塗りなおす必要があり、それがレディーのマナー的ないわれをされた時代もあります。
ところがティントにはデメリットもあります。
ティントを最初に手に取った時に「濃い」「マット」という感想を抱いた人は多いでしょう。着色するための成分のバリエーションが少なく、さらにどれも濃い目でした。ということはつけ方を間違えると唇だけインパクト抜群になってしまいます。また、マットは、乾燥、縦じわなどが目立つこともあり年齢が上の人がつけるには勇気のいるアイテムだったのです。
ティントというのは元々「リップステイン」「落ちないリップ」として平成の時代からあったものです。しかし、質感がべたべたするとか、ボンドみたいだとか、落ちなくするための固定剤を塗らないといけないとか評判は悪く定着することはなかったのです。
リップモンスターのすごいところ
リップモンスターのすごいところは顔料の口紅、つまり「ティント」タイプではないということです。顔料を膜で包む新技術で落ちにくくしているのです。
そして、ティントのように「濃くなく」「ツヤのある」しあがりになります。つまり、昔から使っていたようななじみのある口紅の質感や色であるが落ちないということになります。
もちろん、重ねづけすれば濃いリップが好きな人の要求にもこたえられる出来にになっています。
何より名前がいいじゃないですか。モンスター、そして1つ1つの商品名も「ラスボス」や「欲望」といったとてもメイクのアイテムとは思えないネーミングが並びます。
ティントの未来
コロナ禍にあって急速に技術革新が進んだティントですが、現在は「落ちない」だけでなく「スフレマット」「ツヤ」「グロッシー」と様々なタイプのリップが作れるようになりました。また、色合いのバリエーションもだいぶ増えてきました。
上述のKATEをはじめ多いのが「スフレマット」。「ふんわりマット」とも形容されマットなんだけど、マット過ぎないハーフマットぐらいの質感、そのほかにも「ツヤ」は文字通り少し水分を含んだような質感、「グロッシー」とはグロスを塗ったような油膜をはったようなうるうるのリップティントになります。
リップモンスター以外にも2022年に国内のブランドからはkissのリップアーマー(ツヤタイプ)、セザンヌのウォータリーリップティント(グロッシー)などプチプラのヒット商品が生まれました。
このように「ティント」=「マット」という時代は終わりを告げ、戦いは次のステージへと進んでいます。リップはメイクの花形という時代ではなくなりましたが、その裏で日進月歩に技術が進んでいます。