日本ではアンドロキュアは処方できない~女性ホルモンおススメしない錠剤③

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前回までに「プレマリンやプレモンのような馬由来の女性ホルモン製剤」や、低用量ピルに含まれる「エチニルエストラジオール」は、血液検査でエストロゲン(E2)の値が治療実態を反映しにくい等の理由から、おすすめしにくい旨をお伝えいたしました。

今回は、池袋真医師の見解をもとに、同様に使用を控えていただきたい成分「酢酸シプロテロン」について解説します。

日本国内で処方されない理由

アンドロキュアやスーシーなどの抗アンドロゲン剤に含まれる「酢酸シプロテロン」は、かつて日本でも取り扱われていましたが、現在は発売中止となっています(詳細な理由は不明)。過去に肝癌などの深刻な副作用が報告されており、日本人の体質には適さないと判断されている薬剤です。

※ツイートの情報によると輸入して自費で取り扱っている病院はあるそうです。

また、アメリカでも使用は推奨されていません。一方で、ヨーロッパやオーストラリアでは現在も男性ホルモン抑制薬として使用されていますが、近年の研究(欧州医薬品庁の勧告など)により、脳腫瘍などのリスクを避けるため、低用量での使用が厳格に求められるようになっています。

もし自己輸入で服用している場合

前提として、医師の管理を通さない自己輸入での使用は推奨いたしません。 しかし、すでに自己判断で服用している方へ、健康被害を最小限に抑えるための重要な注意点があります。

海外のガイドライン(AusPATH等)では、シプロテロンはごく少量でも十分にテストステロンを抑制できることが示されています。もし現在服用されているのであれば、以下の用量を目安に、必ず専門医による血液検査(肝機能チェック等)を併用してください。

目安:シプロテロン50mg 1錠を1/4(12.5mg)にし、週に2回のみ服用する。

必須条件:肝機能など、定期的な採血フォローを必ず受けること。

高用量の継続は、肝障害や腫瘍のリスクを著しく高めます。自身の体への負担を考え、適切な情報に基づいた判断を心がけてください。

ご参考情報(池袋医師による提供)

  1. シプロテロンについての解説記事(note)

  2. 抗アンドロゲン作用を示す酢酸シプロテロンについて

  3. 欧州医薬品庁(EMA)による使用制限勧告(2020年)

  4. AusPATH(オーストラリア)トランスジェンダー健康ケアガイドライン

※今回の記事は、乙女塾発行「女性ホルモンはじめてBOOK」に掲載されている池袋真先生の情報を、ご本人監修のもと、最新情報へアップデートしたものです。

 

話を聞いた人

医師

池袋真

パーソナルヘルスクリニック横浜院 院長

産婦人科専門医。GI(性別不合)学会認定医🏳️‍⚧️専門はジェンダー医療。WPATH/EPATH会員。Gender affirming careを勉強後、4つのクリニックにてジェンダー外来開設。【上野/横浜】パーソナルヘルスクリニック【横浜元町】女性医療クリニックLUNA 【大阪天満】いだてんクリニック。

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