アメリカにて行われたトランス女性が勝訴した裁判が、SNSで大きく話題になっています。
裁判になった事例は以下の通りです。「トランスジェンダー女性がフィットネスジムの女性更衣室に入り、それに対して17歳の少女が恐怖を感じたと主張。その結果、トランスジェンダー女性は追い出された形となりました。そしてそのことに対し、トランスジェンダー女性側が裁判を起こし勝訴した」という内容になります。
彼女はこうしたジムのトラブルが過去に2回あり、裁判で2度とも勝訴しています。
https://www.youtube.com/watch?v=gvFQotxpGGY
原告の退役軍人のクリスティン・ウッド(Christynne Wood)さん(66歳)は、自分は「裸」ではなく、プライベートシャワー室を使ってシャワーを浴びていたと言います。
これに対して17歳の少女は「ワークアウト後にシャワーを浴びていると、女子更衣室で裸の男性を見た」とサンティー市議会に涙ながらに語っています。「私はすぐにシャワーに戻り、恐ろしくなり、彼がいなくなるまでカーテンの薄っぺらな言い訳の後ろに隠れました」またトランス女性のペニスを見た、という詳細を含め、この話は急速に広まりました。
少女が訴えていた当時は、ウッドさんがSRSを受けていないという情報がいくつかのメディアで広まりました。しかし『NEW YORK POST』によると、SRSはすでに終わっているとのことでした。そのため、未手術という話は真実でないようです。
カリフォルニアでは(トランスジェンダーの人々は性別移行プロセスがどの程度進んでいるかに関係なく)自身の性自認に基づいた性別の更衣室、またはトイレを使用できます。
これまで、日本でもトランスジェンダー女性がスポーツジムで更衣室で受けた扱いについて裁判は起きています。こちらは、SRS後のトランスジェンダー女性が、20歳未満の自身の子どもがいたため戸籍変更用件を満たせず、男性更衣室の使用を強制された事件です。こちらは2017年に和解が成立しています。
このような問題には3つ大きな論点があります。
・SRSの有無が女性更衣室使用の条件として妥当かどうか
・SRSを受けていてもルッキズム的に女性として認められないこと
・ウッドさんが過去に小さな少女の画像を投稿しており性的指向の観点からの問題
反対意見としては
ウッドさんはSRSを受けていないという情報が流れていたので「SRSを受けて欲しい」という意見が見られました。
一方で、SRSを受けているという情報が出てからは「美容整形をして女性らしさをあげて欲しい」という意見が見られました。
また、性的指向が女性の場合は、女性更衣室を使わないでほしいという意見も見受けられました。
結局のところ、自分の基準で見て受け入れられない理由が反対材料になりえます。また、当事者からも同様の声が聞こえました。例えば「もっと努力してほしい」「女性になるのは簡単ではないが、私はそれをやった」という意見です。
ただ、そこで問題になってくるのは金銭的な大きな負担や、それらに必要な時間です。それらが叶わない人たちを切り捨ててしまうことは簡単かもそれません。しかし、それでは社会は成り立ちません。どうサポートしていくのか、どう扱われるべきかはしばらく議論が続くことでしょう。
また、性的指向については同性愛者がどのように更衣室を使うか、という問題も挙がってきます。
“Listen to the sound of my voice. I am a threat to no one.” No one should have to plead like this before their neighbors to be themselves. The courage demonstrated by supportive #Santee residents for #ChristynneWood‘s dignity is an act of civic decency. https://t.co/DCsMlAU3LP
— Tommy Hough (@The_Tommy_Hough) January 26, 2023
ウッドさんはこのように伝えています。
「私の声を聞いてください。私は誰に対しても脅威ではありません」