命の意味を問います

  • 西原 さつき
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    乙女塾

友人であり漫画家のモカが出版記念イベントを行い、その司会進行役として参加させていただきました。

命についての哲学討論会という内容だったのですが、司会という立場上深く意見する事が出来なかったため、私の考えを少しだけお話しします。

命とは何なのか。

そもそも私たちは何故、生まれてきたのか。

この星に、限りある命を与えられて生きていく目的を問います。

本来の生命としての目的は、子孫を残し、種の繁栄の為にその命を捧げます。
次世代の為。種の進化の為。

そう、遺伝子にインプットされている。

しかし私達には、生殖能力がありません。自らの意思で、その機能を失いました。

もはや、遺伝子レベルでの反逆と言ってもいいかもしれません。

では何故、どうしてそんな代償を払ったのか。

性同一性障がいとは、そもそも何なのか。心とは、そもそも何なのか。

これについては10代の頃に何度も何度も悩みました。

しかし、その理由というものは上手く説明出来ません。

言葉では説明出来ない何かに突き動かされた結果だと思います。

その代償が、生殖機能でした。

「無駄な命は無い」というのが私の持論です。

動物にも、虫にも、植物にも、生きようとする全ての生命の姿に、私は敬意を払います。

人間にも。そして私達にも。

命ある限り、何かを残す為にその命を燃やしている姿を、美しいと感じます。

生殖能力が無く、子孫繁栄に関わる事が出来ない私は、一体どうすれば良いのか。何を目的として生きていけば良いのか。

その課題に縛られて、自分が生まれてきた意味さえ否定的になってしまった時期がありました。

その頃は、いつ死んでも良いと思ってました。

死を身近に感じました。

その中でここ数年で、私でも残せるものがあると気がつきました。

それは「思想」です。

私の肉体が朽ちても、それはある種の普遍的で永続的で、人類の発展へ貢献できるのではないかと。

そう考えるようになってから、それまで鉛のように重かった心が少しずつ軽くなっていくのを感じました。

「思想」は人の心を介して、永遠に残るはずだと。

人には役割があります。

全てを自分一人で、なんて事は出来ません。

ただこの身体に生まれた私にしか出来ない何かが、あるはずだと。

同じ悩みを抱えた次世代の為に出来る事があるんじゃないかと。

最近の行動目的は、全てがその為です。

この身体でも不幸に思わなくても済む、そういう思想が生まれれば、私にも生きている価値があるんじゃないかなと、思います。

そういう事を抜きにしても、最近の私は結構わりとハッピーです。

欲しかった身体が手に入って、ご飯が美味しくて、ぼちぼちお仕事も頂けて。

12階から飛び降りた親友のモカも、最近は随分と元気になりました。

失った物も大きかったけれど、それ以上に色んな人達とも巡り会えました。

みんな良い人達ばかりだし、私達とは別の世界の人だと思っていた、俗に言う「世間一般の人達」も

私達の事を偏見の目で見る事も、徐々にですけど減ってきたように感じます。

みんな怖いだけなんです。自分と違うものが恐ろしいんです。

私もあなたと同じ、痛みを持った人間なんだよと、伝える事が大事なんじゃないかなと思います。

人間は、弱いです。

肉体的にも、精神的にも、他の生命とは圧倒的に劣っています。

そして不完全です。

他の生命を殺す事も、助ける事も、そのどちらも行ないます。

全くもって意味不明な生き物が生まれてしまったんだなと、よく思います。

このブログを読んでいるあなたも、そんな人間の一人です。

生まれてきたからには、意味があります。理由があります。目的があります。

無ければ良かった命というものなんて、一つもありません。

まだ気が付いていないだけで、あなたには力があります。エネルギーがあります。

どうかその使い方を、間違えないように。

自分以外の誰かを、笑顔に出来ますように。そう、心から祈っています。

最後まで読んでくれてありがとう。
私から最後に一言。

生きているって素晴らしい!

ありがとうございました。

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