トランスすると一口にいっても性別移行するきっかけは様々です。
「3歳ぐらいからおままごとが好きで小学生の時はスカートに憧れて、第二次性徴に嫌悪する」そうしたガイドライン的な事例こそトランスジェンダーだという声もありますが現実は必ずしもそうでないようです。
その中には、トランスジェンダー当事者から見ても非常に驚くような例外的なケースがあります。
男性からもてたい
「ノンケの男性からもてたい。そのためには男性の身体では受け入れてもらえないので女性化する」というパターンです。ゲイ上がりの人を中心に見られます。
また、自分は男性が好きだったけどトランスジェンダーという言葉を知らなかったので最初はゲイだと思っていた、という人もいます。
全体として行動が早く、治療を短期間で進める人が多い印象です。そのため著名なトランスジェンダーの中にも若い頃はゲイであったと公言されている方もいます。
女性が好きすぎて・嫌いすぎて
女性というものが好きすぎて女性になるというパターンです。かわいいもの、女性らしいものが大好きという人が多いです。
反対に、女性に幻滅して、自分が女性になって男性から愛されたいと思うパターンもあります。
ホストから女性化する人が意外といるのもこうした女性の裏を見すぎてしまうからかもなのかもしれませんね。
かわいい下着・洋服を着たい
フェチズム由来です。かわいい下着を着たいが男の身体では似合わない。そのためには似合う身体を手に入れたいという形でしょうか。
下着以外にもフリフリの洋服やロリータ願望、おっぱいフェチ、ハイヒールフェチなどからスタートする人もいます。
女装趣味が高じて
最初は週末に女装するだけだったが、気が付いたら二丁目に通いだし女性ホルモンを開始、恋人ができて…というパターンです。
女装と一口に言っても様々で、男性との身体目的の人もいれば、時代が許さなかったので(内なる願望をとどめて)仕方なく女装まででとどめていたが、やっぱり死ぬときは女性でいたいといってトランスを決意する人もいます。
もともと隠し持っていた願望が開花したような形か趣味にはまりすぎた結果かはわかりません。
中には最初は奥さんがいたのに離婚して、今度は自分が男性と結婚して人妻になったとかそのような例もあります。
プレーの一環
何かをきっかけに他人から女性化することを強いられるパターンです。SMやBDSM、恋人にホルモンを盛られてなどがあります。本人もいやいやながら、強制的に女性化することで興奮するというケースもあります。
平成初期の漫画や小説にあったような展開で夢物語と思いきや、現実世界でもごくごくまれにそういった話はあるようです。
自己女性化愛好症(AG)
自分が女性化することで興奮する、喜びを覚えるというタイプです。
中には女装すると興奮するとか、女装した時だけ男性とHしたいということで自称AGを名乗る人がいますが、そこまでを含むかは議論になっています。狭義のAGでは他者の介在を入れるものではなくあくまで自分が女性化することに喜びを覚えます。自己完結型ですね。
性欲由来なので女性としての社会生活になじまないという意見もあれば、治療との相性がよく、SRS後も女性としての適応率が高いというデータもあります。
中性、ノンバイナリーからの移行
最初は中性やノンバイナリーだと思っていたが、女性の方がしっくりくるというパターンです。
本人が女性化までは無意識に恐れているケースもあります。結果的に、中性的→女性的と段階的に性別移行するので比較的生活でのトラブルが起きにくく、スムーズに受け入れられやすい印象があります。
精神病とのダブルマイノリティ
自閉症や発達障害、ADHDなどの精神病を抱えていてその末に性同一性障害の診断も受けるというケースです。
精神病由来なのか、元々持っていたものかはわかりません。生まれつきと言う人もいれば後天的に気が付いたという人もいます。つまり、様々です。
このように最終的に「トランスジェンダーになった」といっても一概にひとまとまりはできないのが現状です。また、上記のきっかけを2つ、3つ持っていることもよくあります。
性別はグラデーションなんて言葉もありますが、真実は小説よりも奇なりですね。でも、中途半端にはじめて後悔だけはしないようにしてください。しっかりと病院での診察を受けるなり、きちんとした手順を踏んで性別移行にのぞむことを推奨しております。