“女”として就職した先輩に聞く「主張ではなく対話、協調性を第一に」

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女性として就職することを考えるにあたり、トランスジェンダーが不安に思うことは多岐にわたるだろう。だが、3月の交流会で示された先輩の経験談を見るに意外な側面が浮かび上がってきたのではないだろうか?

今回は大事だとこれまで言われていたことと、実際を見てみよう。

  • SRSを終え、戸籍を変更している
  • 容姿のパス度が高い
  • 高学歴や前の会社での実績など優れた職歴が必要である

この点に関して、ゲストに出て頂いた田中友彩さんローラ・ウェイクフィールドさんに改めて筆記でのアドバイスを聞いてみた。今回は田中友彩さんに聞いてみた。

「一緒に働きたい」と思われること

本当に大事なことは、「一緒に働きたいと人と思われること」だと思います。

特に、新卒の場合そう思われるポイントは大きく2点
・協調性が高い人間かどうか
・仕事をこなして、成果をあげてくれるポテンシャルがあるかどうか
かと思います。

少し厳しい意見になりますが、自分が女性として働くにはハードルが高いと思っている場合、多くの人は就職活動中に自分の心のことで精一杯なのではないでしょうか。「女性として就職できないのでは?」という、不安や焦りなどがあると思います。

それは面接では相手の会社の面接官に伝わるかと思います。そうすると、面接官はマイノリティのこと以前に、一人の人間として一緒に働きたいと思わないので面接が通過できないと思います。一緒に働きたいと思われたら、その人のマイノリティについてどうしたいか?っていう話になると思うので、まずは「一緒に働きたいと人と思われること」が重要だと思います。

SRSや戸籍変更などに進行度について

LGBTの受け入れが整ってない会社の場合、他の社員になにか言われた時に当事者のことを守るだけではなく、会社の立場も守らなければならないので、「診断書」など他の社員に証明する何かは提出した方がいいと思います。

一番理想が学生のうちにバイトしてSRSをうけ「適合手術を受けた証明書」が発行できると雇う側の会社としても一番安心感があると思います。

しかし、学生時代にSRSができないとしても、「性同一性障害の診断書」を提出し、いつにSRS受ける予定ですなど、会社側としっかり対話することが重要です。進行度が進んでいるというよりも「対話」ができると面接では良いポイントです。自分を「主張する」ではなく「対話する」です。「対話=協調性がある」と思われます。

自分のことで精一杯だと「主張」が強くなってしまいがちなので「対話する」を意識してみたほうがいいと思います。

カミングアウトは段階的にすべし

在職トランスの場合、カミングアウトのタイミングはとても重要です。 私は前の会社でこじれてしまったのですが、会社で相談できそうな人がいたら、先に相談するなどして、周りにGIDかも?っていうことを感じてもらうようにしつつ徐々にカミングアウトしていけば、そこまでこじれなかったように思います。

私の場合完全に隠した状態で、いきなりカミングアウトしてしまったので、他の人の反応は「冗談?正気?」みたいな感じでした。 普段からGIDかも?って思われていたら「やっぱり?そう思ってた」とか、もうちょっと柔らかい捉え方になったと思います。

私はカミングアウトを失敗したので、友人関係も断絶することになってしまいました。 カミングアウトする準備やタイミングは十分に考えたほうがいいと思います。

転職活動中の失敗談

マイノリティに関することではないですが、普通に面接する上での失敗談が 「女性として就職のできないのでは?という、不安や焦り」があり、 自分を売り込む為に「スキルが高い」ということを「主張」しすぎたことです。

最初に受けた何社かはそう思われて、面接を落とされた理由を聞けたのですが、 「協調性が感じられず、一緒に働いているイメージがつかない」 と言われました。 そのあとは、主張を控え対話をするようにしたら2次面接などにすすめたので やはり「対話」が重要だと思いました。

また、私自身は転職活動中にSRSを受けましたが、SRSを受けた3日後くらいから仕事をしました。国内の造膣なしのSRSだったのでギリギリ動けました。 激痛の中、出社して仕事は本当に辛かったです。あまりの痛みに途中に電車を降りて何回トイレに駆け込んだことか…。SRSするときは、しっかり休みをとって療養してください。タイなら必ず1,2ヶ月くらいの長期療養が必要だと思うので、タイでの手術がいいかと思います。 強行なスケジュールでのSRSは真似をしない方がいいと思います(笑)。

※(交流会によると)田中さんは就職にあたり男性の姿で面接を受けたといい、また髪が伸びるまではウィッグで出社したという。つまり、自分自身が何を貢献するか、利益をどう会社にもたらすか、協調性や人間性に目を向けることが特に重要ではないか、とのことだった。

次回はローラ・ウェイクフィールドさんです。

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