トランス女性のメイクで自信のあるパーツ、コンプレックスのあるパーツ

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メイクレッスンの初回ではメイクに関するアンケートをおこなっております。それらの結果を集計いたしまして、3月に行われました日本GI学会にて発表をさせていただきました(もちろんプライバシー関わる内容は取り扱っております)

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今回は、その中から一部内容を抜粋してお届けいたします。

集計対象:2023年12月-2024年12月の1年間のメイクレッスンで初回アンケートにお答えいただいた方々のうちシスジェンダーの方やコスプレイヤーを除いた138名。

メイクレッスンでのお悩み部位ベスト5

メイクをする上でコンプレックスに感じている場所(複数回答可)は、髭52名、クマ45名、毛穴40名、眉毛33名、ほうれい線31名の順でした。

悩みとして上位に来ることは「男女差」よりも、髭、眉毛を除いてエイジングサインであったことです。その反面、眉骨、顎といったFFSで行われる部位を上げたものは各々10名以下でした。

この結果を受けて考えられることは下記の内容です。

・初回なのでまだ初心者、性別違和を感じて悩み中の方々がメインの対象であったことです。ホルモン治療中が約1/3、通院中でこれから予定している・さぼり中という方を含めても約半数でした。ただし残り半数の方でもその後始めた方は少なくありません。

・つまり、中顔面や眉骨といった部位は上級者こそ悩む場所であることです。

・メイクは初めて鏡と向き合う場所ともいえます。しばらく顔をちゃんと見ていなかったが、気が付いたら自分にエイジングサインがでていた、こんなところにシミが…といった発見がネガティブ要素につながった可能性があります。

・一方で、髭脱毛が終わっている、ホルモン治療で肌がとても綺麗なのに、髭が気になる、毛穴が気になるといった方々が多い印象を受けました。これは、パーフェクトで曇りのない肌を求める層が多いのかなと思いました。というのも髭脱毛が終わっても「何か鼻下が青い」「3本まだ生えてくる」といった悩みもありましたし、毛穴がこちらからではわからないのに「ほおや鼻の毛穴が気になる」とされた方々も多くいらっしゃったからです。

これは、自分の体験でも脱毛が終わっても何か青いな、子供の頃の感じにはならないなと思っていました。毛穴が気になるのは、むしろ肌が綺麗だからこそそこが目立って見えるのかなと思いました。

・もう1つは複数回答可であったことです。つまり、100点満点志向の方が多い中で、1位の悩みではなくても毛穴、ほうれい線、ランキング外ですが、シミ、ニキビといった部位は絶対誰でも0にはなりませんから、回答が得られがちなのではないかと考えました。

自信のあるパーツは?

次に、自分に自信があるパーツも同じように質問を致しました。「ない・わからない(ない場合は未回答)」は61名と最多で、次点は「目」で56名でした。それ以外の項目は目立ったものはなくいずれも一桁程度でした。

考察です。「自信があるパーツがない」と答えた方の輪郭が綺麗だったり、鼻が整っていたりと意外と自分の良さもまた自分で気が付いていない状況にありました。

唯一目があがりやすいのは、目が大きいことは誰でもわかりやすいので他人から褒められやすいということがあるかと思います。つまり、自分で気が付くのではなくて、他人に褒められて認識する機会が得やすい場所であるということです。

そして、多くの人は他人に自分の顔のパーツを誉められないので、自信が持てないという結果につながったと考えました。もっと自分の良さに気がついてもらうのもメイクレッスンの大きな主眼の1つです。

こうした知見は、メイクレッスンに役立ててまいります。

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