昨今、話題になっているのが「傷跡が見えない」SRS(性別適合手術)です。
これまで、SRSでは鼠径部に縦に傷跡が残ると言われてきましたし、実際経験した人は残っているようです。ところが、ヤンヒー病院のウォラポン先生が傷跡を隠すSRSを発表し、患者の方の多くににとてもセンセーショナルに受けいれられました。
メリット・デメリット、そもそもこの術式について他の先生はどう対応しているのかをアクアビューティでアテンド業務をされている、りえさんに聞きました。
(取材日:2024/12/16、22 インタビュアー:NAO)
–傷跡が見えないSRSとは何なのでしょうか?
(りえ)これまでと違い傷口が大陰唇と小陰唇の隙間に作られます。
–普通に考えたらひだの間に隠した後が傷跡が目立たないように思えます。なぜ、今までは隠すタイプが考えられなかったのでしょうか?
現地に確認したところ、私も把握していなかった事実がわかりました。
実は10年よりももっと前から、グリーチャーツ先生(ミラダ病院)もガモン先生(ガモン病院)も、隠すタイプのSRSを行っているそうです。ウォラポン先生が独自に開発したという感じで話をしたので広まりましたが、(おそらく)グリーチャーツ先生もガモン先生も、昔から独自に開発をしていたたのだと思います。
ですが、先生が技術を表に出さない、公表しなかったため、日本人患者に知られていなかったそうです。
–それはびっくりですね。では、逆に言えば何故今も昔ながらの傷跡が残る方式が残っているのでしょうか?
現在では、わたしたちアクアビューティのお客様には基本的に隠すタイプで行っていただくようお願いをしていますが、
・(女性ホルモン治療による委縮などで)陰茎の皮膚に余裕がない方
・手術時間が長くなるので年齢や持病などで麻酔の時間を短くした方が良い方
などの場合、隠さないタイプしか行えないのです。
アクアビューティのお客様は、6割くらいの方が隠すタイプで受けられています。実はこの数値、私も今回初めて質問を受けて調べてわかったことです。
(一方でまだ)半数近くの方は既存の手術方式を受けています。日本人は、欧米に比べると陰茎がもともと大きくない人が多い上に、ホルモン療法によって皮膚が萎縮してしまっていることも多々ありますから、希望をしても皮膚が足りなくて不可能ということが多々あります。
–反対に既存のタイプの方が優れていること、隠すタイプのデメリットはあるのでしょうか?
隠すタイプでも、術後のデメリットはそれほど多くはありません。
きちんと綿棒を使って縫い目(傷口)に消毒薬を丁寧に塗らないと、従来タイプに比べて化膿する可能性が上がることがあります。
また、内側に隠されている分、縫い目(傷口)が圧迫されますから、痛みや違和感は従来タイプよりも高くなってしまう可能性があります。
もちろん、化膿しないように抗生物質や消毒をしっかりと行いますので、それほど大きな欠点ではないのかと思います。
–となると痛みに強い方、化膿のリスクを背負っても見栄えを追求する方は選ぶ人が増えそうですね。現在、新方式に対応している病院はどこなのでしょうか?
アクアビューティでは、ヤンヒー病院、ガモン病院、ミラダ病院の3院でアテンドを行っていますので、この3院については可能です。他院はわかりません。もちろん、先ほど説明した通り希望したら受けられるというものではありません。
症例写真はネット等では一切公開していませんが、ご来社いただければ術例写真をお見せすることが可能です。
–ありがとうございました。
アクアビューティ公式サイト:https://aquabeauty.co.jp/