何故、トランスジェンダーは「埋没」をするのか?

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トランスジェンダーの実情が可視化されない問題として「埋没」という理由があります。

「埋没」とは、容姿や声のライフクオリティが上がるにつれて元・男性であることを明かさずに女性として生活することを指すネットスラングです。

前回、下着の記事での批判の中に「手術をしようが」「胸があろうが」「何をしようが」「トランスジェンダー女性は男性である」という批判も多くあがりました。では何故トランスジェンダーは「埋没」という道を歩むのでしょうか。

その理由は子供の頃から「オカマ」や「気持ち悪い」といった言葉に日常的に苦しんできたからではないでしょうか。自分で自身の性違和を変えることはできません。どうしようもない問題に対して、親にすら否定されることも多いです。自信を失い、自己肯定感が低くなってしまい抵抗する気力を失います。

一方で、容姿が男らしくなれば心の問題が解決するのではないか?と運動を頑張ったり、反骨心で勉学に励みエリート街道を歩む方もたくさんいます。両極端なのが現状です。

どちらにせよトランスジェンダー女性の多くは、自ら変えられない性違和の問題に対して幼少期にきわめて厳しい経験を送っております。(もちろん性違和に気づくのは後からの人もいます)

性別移行が進み「埋没」をしても、いかに美しくメイクができても、綺麗な声がだせても、手術をしても、身分証が女性であっても、結局「元・男性」という事実1つで心ない言葉にさらされます。

「トランスジェンダーと明らかにして女性用スペースを利用してほしい」「隠すのはよくない」といった意見もありましたが、埋没して女性として暮らしている人に対して、それがいかに残酷なことか想像できますでしょうか?隠した方がトラブルがないから、そうしているのです。

世間から見て一目でトランスジェンダーと分かる人以外が、問題の可視化が進まない状況の1つの要因です。

追伸

埋没するトランスジェンダーの可視化をするのか!とお叱りを受けるご意見がありました。誤解を招きまして、大変申し訳ございません。可視化させたいのではございません。また、埋没する理由は他にもたくさんの理由がございます。多くのトランスジェンダーが女性と区別がつかず可視化していないからこそ、一般の女性との認識の差が大きく、悪目立ちするケースが一般的と捉えられている、差別に繋がっている。という溝の説明をしたまででございます。

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