論文から見る「テストステロン」を効果的に抑える方法

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MtFトランスジェンダーの場合、女性ホルモンの値を気にされる方は必要以上に多く女性ホルモン剤を摂取しがちです。

一方で、男性ホルモンの値が気になる方も多く、合わせて低い数字が出るように「テストステロン」を抑えようと考える人が多いように思えます。

何気なく、女性ホルモン治療のwebサイトを見ていたのですが、そこに面白いデータがありました。


元データはトランスジェンダーヘルス2018年の論文(Transgend Health. 2018; 3(1): 74–81.)による。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5944393/

女性ホルモンによる治療で
1.女性ホルモンの錠剤のみ
2.女性ホルモン剤に加えフィナステリド(脱毛を抑える薬)
3.女性ホルモン剤に加えスピロノラクトン
の3つを試したところ、男性ホルモン(テストステロン)の値はどう変わったのか?という実証データです。

女性ホルモンは錠剤の形で口から摂取したそうです。実験データはこのようになりました。

エストラジオール用量と 17-β エストラジオールの間には正の相関関係がありましたが、テストステロン抑制との相関はあまり高くありませんでした。一方で、1日4mg以上エストラジオールを摂取すると70%以上が治療目標(適切な17-βエストラジオール濃度とテストステロン抑制)を達成しました。しかし、患者の3分の1は、1日あたり6 mg、さらには8mgのエストラジオールを投与しても適切な治療目標を達成できませんでした。

スピロノラクトンはテストステロン抑制を助けず、目標血清17-βエストラジオールレベルの達成を妨げるようでした。フィナステリドを使用すると、テストステロンレベルがむしろ高くなりました。

このデータでは女性ホルモン剤オンリーの方がテストステロン値が最も低くなっています。

これは「かなり意外な報告」です。

通常、トランスジェンダーの間ではスピロノラクトンは男性ホルモンを抑える効果があるというのが一般論です。また、生徒さんの話を聞いているとフィナステリドなど脱毛系の薬を併用して劇的に効果を出していたり、男性ホルモン値が低いことも話としては聞いています。

論文はこう締めくくっています。

「女性ホルモン療法を受けているトランスジェンダーの女性には、治療を個別化できるようホルモンレベルをモニタリングすることをお勧めします」

一人ひとりに合わせた最適な薬の答えを見つける、というのが良さそうですね。

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