トランスヘイトに立ち向かえ TRANSGENDER LIVE VOL3を見に、新宿アルタ前まで行ってきた。

  • みなみ
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    乙女塾

TRANSGENDER LIVE とは、毎年トランスマーチを主催する、TGJP(トランスジェンダージャパン)が開催されているスピーチライブです。2023年7月25日(火)に新宿アルタ前でVOL3開催されました。今回、乙女塾からは西原さつきさんのほか、私を含めた3人で見てきました。

その時々の社会の問題に対して、トランスジェンダーとその支援者が入れ替わり立ち替わり、社会に対してスピーチをするというイベントです。


(写真はスピーカーのお2人と一緒に)

ryuchellさんへ黙とう

まず最初に、タレントのryuchellさんが亡くなられたことについてのお話がでました。ryuchellさんはハッキリと性自認についてカミングアウトはしてなかったけど、LGBTQ+に対する理解のある発言をしてくれた人で、その死はコミュニティに大きな衝撃を与えました。

みんなで1分間の黙祷を捧げることで、ryuchellさんをみんなで送り出してあげられたのなら良かったです。

スピーチが続々

最初に、政治家の方々からのスピーチが始まりました。第一番はご本人も当事者でもある政治家の依田花蓮さんからのスピーチがありました。ヘイトをする人を一方的に攻撃するのではなく、悲しみ、みんなに連帯を求める言葉を連呼する依田さんの姿は頼もしかったです。

続いて、共産党、社民党、立憲民主党とスピーチはつづき、映画『片袖の魚』の監督である東海林毅さんへバトンが渡っていきました。

乙女塾からはNAOさんへスピーチのご依頼がありましたが本人の私用によりその時間は来場がかなわず、丁重に断ったそうです。さつきさんは今回は側で見守る形を取りました。今後は、何かしら協力できることがあったら乙女塾一同頑張らせていただきます。

スピーチの課題と乙女塾の役割

トランスヘイトがとても活発になっています。それは例えば「女装する男性と区別がつかない」「身体を変えないうちは男性だ」「身体を変えても遺伝子レベルで区別してほしい」などトランスジェンダーを嫌悪して、女性とは区別するべきという動きが世間では活発になっています。

特に、何か事件があると鬼の首をとったようにトランスジェンダー全体に対して「信用のならない存在」「性加害を起こす男性側」と指をさされ私たちの存在は脅かされています。

TGJPが行ってる活動は全面的に支持したいとわ思います。だれかが武器をもって攻撃してきたとき、だれかが防衛しないとやられっぱなしになるのは目に見えてるからです。前線で戦ってくれてる人たちがいるからこそ、トランスジェンダーの権利は守られているのです。

一方で、ミサイル攻撃を同じようにミサイル攻撃で対抗するだけでは、トランスヘイトしている人達の心を全て変えることができるのだろうかという疑問も新しく生まれてきました。

乙女塾は政治的なメッセージやトランスジェンダーに対しての意見は出していません。さつきさんが音楽をつくり、LIEさんや夜々ちゃんがイラストを書き、わたしがこうやって原稿をかいています。これは直接的なメッセージではありませんが、世の中が変わっていくための一歩へなっていくという願いを込めています。

さつきさんが、そんなことを次のように的確に表現しました。

「TGJPの人達が(このトランスヘイトが続く戦場のような場所で)前線として戦うんだったら、わたしたちは衛生兵になりたいよね」

かつて差別の対象だったアイヌのひとたちは、いまや若者にとってはカッコイイ人達になっています。それは漫画『ゴールデンカムイ』のような、コンテンツがもつ力でアイヌのイメージを変えたからじゃないだろうか。それと同じように、トランスジェンダーだって似たような方法が取れるんじゃないかと考えました。

さいごに

ryuchellさんのこと、会社でアウティングされたこと、街でジロジロみられたこと、多目的トイレが見つからずにもじもじしたこと、Twitter(Xだっけw)で誹謗中傷をみてしまったこと、そんな日々うける小さな心の傷跡を、当事者、市民、ヘイターにかかわらず治療して傷を癒やす存在。それが乙女塾であれば良いなって思いました。

TGJPの人達や、そこでスピーチをしてくれた人達には、本当に大きな感謝をしながら、わたしたちは戦場のナイチンゲールのように、傷ついた人達を癒やしていきたい、そんな自分達の立ち位置に気がついた1日でした。

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