乙女塾ティータイム 第1回「イシヅカユウ」さん パート3 これからやりたいことは自分を増幅すること

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対談も終盤になり、イシヅカさんの今後について聞いてみました。それは、静かなキャラクターとは違って、熱いものを感じさせる内容でした。

静かなキャラクターに見られがちだけど

さつき:確かに、話しかけちゃいけないのかなって思います。

イシヅカ:でも最近、映画の仕事をするようになって、最初からすごくしゃべるようになりました。

さつき:芸能活動というか、キャラクターというか、何か方向性という面で大切にされていることってなんですか?

イシヅカ:わたしもともと好きなものがいっぱいあるんです。結構多岐に渡って好きなものがあるんですよ。

さつき:確かに、今日のイシヅカさんはそんなイメージ。

イシヅカ:その前後が混ざって、堆肥みたいなものができて、その腐葉土みたいなものの集積が、今のわたしなのかも。

ここ1〜2年でやりたいことって?

さつき:ちなみに今後……すごく先じゃなくて、ちょっとこの1〜2年ぐらいの間で、こういうのやってみたいなとか、こういうのに挑戦してみたいなっていうのありますか?

イシヅカ:何だろう。あんまり先の事を考えて生きてないのだけど、俳優の仕事をやるようになったので、これをきっかけに俳優の仕事を増やしてみたいです。あと今年はインタビューとかで自分のことを話す事が多くありました。そういうのは嫌いじゃないなってことは分かったので、続けたいですね。あとは、作品への参加っていうことをもっとやってみたいです。

さつき:なるほど。

イシヅカ:わたしは自分の体を使って何かをやることに興味があります。今やってみたいのは、コンテンポラリーダンスとか。それと、西原さんに言うのもおこがましいですけど、声の仕事にも興味あります。

さつき:ぜひ、応援したいです。

イシヅカ:あと、海外へ行きたい!

さつき:どこか行かれたことありますか?

イシヅカ:わたし今まで台湾しか行ったこと無いんです。

さつき:台湾!

イシヅカ:台湾ほんとうに楽しかったです。あと食べ物が美味しかった、小籠包とか。

さつき:台湾の食べ物って美味しいよね!

イシヅカ:色んなところに行ってみたい。去年は国内ですが色んなところに行かせてもらえたし。

さつき:うん。

イシヅカ:それと、自分の中でも気になるのは海外の作品です。インドの映画とか、最近観たスプラッタホラーとか、フランスの作品も好きだし。その映画を撮ったのは戸巻監督と大泉監督っていう2人なのですけど、その2人がめっちゃ好きです。

さつき:映像とかアーティスト活動を今後はやっていきたいですか?

イシヅカ:はい、外に出ていくって感じでしょうか。わたし自身も海外にいけたらなって思っています。

イシヅカユウとTwitter

さつき:お伺いしたかったことがあります。TwitterとかSNSのことなんですけど、わたし1ツイートするの、とっても考えちゃうんです。1週間に1〜2回ぐらいしかツイート出来ない。でもイシヅカさんは結構、だーって、連続でツイートされる時ありますよね。 一番好きなSNSはやっぱりTwitter?

イシヅカ:そうです。わたし、実は2008年くらいに日本語版がローンチされた時からやっているんです。なので結構、慣れています。仕事としてもやっているので。

さつき:ツイートに関しては、瞬間的な感情をパシャっと切り取るみたいなところがありますか?

イシヅカ:告知のツイートについては、一旦保存して、この写真を使おうとか考えています。他は「カラオケ行きてー」とか。

さつき:「スタァライトしちゃいます」とも呟いていますよね。

イシヅカ:そうそう。笑

さつき:レヴュースタァライトに「スタァライト、しちゃいます!」っていう決め台詞があって(と、みなみに力説する)

みなみ:映像とか映画とかファッションへ繋がっている共通点って「身体」ですよね?

イシヅカ:そうですね。わたし実は吹奏楽部だったんですけど、楽器とかも自分の身体を拡張して発信するという感じがあるでしょう。そういう感覚です。

自分に合っている素敵なことを増幅する

さつき:さて1時間半ぐらい話したので、そろそろまとめていきましょう。乙女塾のサイト訪問者ってトランスジェンダー当事者の方が多くて、そこに来る子たちみんなイシヅカさんのこと知っていると思うんですよ。

今、活躍されているイシヅカさんがこうやって自分のことをオープンにして、自分と向き合ったりして発信して、それが作品になって……それってすごいことですよね。そうやって輝くステージで活躍されているイシヅカユウさんをみて「あんな風になりたいなぁ」とか「自分もああなれば良かったな」って思っている子って、いっぱいいると思うんです。なので、そういう人たちに向けて、メッセージとか、励ましの言葉などをお願いしたいです。

イシヅカ:わたしは、代表はいないと思っています。表に出ているから、わたしみたいな人が代表で正しい姿だ、って思われてしまうかもと感じます。

もちろんそういうことに憧れる、そこを目指すってこともポジティブで素敵な事だと思うのです。やはり自分の良さっていうのを見つけて、自分に合っている素敵なことを見つけて、それを増幅していくっていうのは生きていて自分が楽しい。

でも、まずは自分が楽しくないといけませんよね。わたしは人に見てもらう立場だけど、やはり自分が楽しくないと見ている人が楽しくないと思うんです。例えば自分の好きなところとか、身体的特徴だけじゃない性格とか、こういうモノが好きとか…そういうのが全部組み合わさって「自分」が形作られていく。

みんなもそうしてみたら、素敵に生きられるのじゃないかなぁ。結局、すごく陳腐な言葉になってしまうかもしれませんけど、自分自身は1人しかいない……。

そう、結局なにをやっても自分自身でしかないと思うんです。その人がどれだけ誰かの真似をしたとしても、極まればそれはその人自身だし。例えば歌舞伎の世界にしても、まずは型がありますよね。あらゆることをとことんまでやり尽くすことで、逆に自分らしくなれることがあります。

そういう自分の良さみたいなものを見つけていきましょう。それが素敵だと思うし、きっと楽しいです。

みなみ:(今回のインタビューで聞きたかった言葉が聞けた感動を伝える)

イシヅカ:自分の好きなことに、わたしはすごく助けられてきた。

わたしも以前はどうしてもトランスジェンダーや、自分は女性として生きていく、みたいなことに良くも悪くもこだわり過ぎてしまっていました。少しでも男性的に見られたくないから絶対にスカートしか選ばないって、そういう時期もあったんです。でも、そこだけに集中してしまう辛さみたいなものって、やっぱりあります。ただ、それって結局自分が一番辛いと思うんです。

そんなこと以外にもっと好きなこととか、やりたいことって沢山あったほうが良いじゃないですか。人生ってトランスジェンダーとして生きるとか、女性として生きるとか、それだけじゃないですよね?

さつき:わたしもそうです……トランスジェンダーとか、女性として生きるってことに縛られている時期がありました。でも意外とそこを抜け出すと世の中には楽しいことがいっぱいあるんだよって思います。

わたしは以前からイシヅカさんとは、セクシュアリティの部分だったり、表現者ということを生業としてる部分なんかで共通点を感じています。

例えば、独りでいる時でも「これってイシヅカさんだったらどう考えるだろう」って想像する時がたまにあるんです。なので、実際に会ってお話を聴いてみたかったんです。今日は、考え方を知れて良かったです。

イシヅカ:この間は(撮影現場では)ゆっくりお話出来なかったですもんね。

さつき:確かに、ちょっとバタバタしていましたよね。

イシヅカ:わたしもゆっくりお話してみたいなぁって思ってたので、良かったです。

さつき:それでは、最後に一言だけお願いします。今パッと思い浮かんだことを、どうぞ!

イシヅカ:ぱっと思い浮かんだ事?えーっと(お茶とお菓子を見て)美味しかったです!さつき:ははは、ありがとうございました!

[終]

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