先日、東京都現代美術館(MOT)で5月28日まで開かれていたDIOR展「クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ」へ行ってきました。
あいにくチケットは持ち合わせていなかったので当日券目当てに始発にのって会場へ向かったのですが、朝6時の時点で100人超の列があり7時ぐらいに当日券のチケットは終了の告知がされていました。
チケットが購入できるのは開場の10時少し前なので4時間近く並んだので体力的にはきつかったのですが、内容は圧巻の一言でした。
私がファッションが好きなことは何度かお伝えしているのですが、DIORはその中でもお気に入りの一つでラフ・シモンズ(現:プラダ)、ジョン・ガリアーノ(現:メゾン・マルジェラ)、マリア・グラツィア・キウリと歴代のデザイナーは他ブランドから追いかけていた大好きな人たち。そのオートクチュールものが間近で見られるとあれば行かない理由はありません。
驚いたのが美術館という静的な空間の中で、より立体的により見せ方を考えた工夫がされていて、ただドレスとか豪華な洋服が並んでいて写真撮影もOKで観賞するだけでない“映え”な工夫がされていることです。
現代ではプチプラでも可愛い洋服はたくさんあります。写真で見れば価格差ほどのものは感じません。
それでも、本当に素晴らしい洋服というのは、写真や動画よりも間近で見た時の解像度が違うと思っています。繊細なレースや素材のシボ感、高級感などその複雑で繊細な作り…。私は“ファッションという悪魔”に魅了されてしまった一人です。
一方でプチプラ以外のファッションが日本では苦戦しているのもまた事実です。それでも、美術館という空間にこれだけの人を集められるファッションのエネルギー、魔力というものはまだまだ捨てたものではないなと思いました。
会場ではDIORが採用して大人気になったフランスの伝統的なトワルドジュイ柄のワンピースを着た方やアイコニックなバッグであるLADY DIORを持った若い女性の方も多く華やかな空間でもありました。
そうした一流の美のエッセンスに触れることは、ヘアメイクとしてはとても大切なことだと思っています。
トランスジェンダーにメイクを施す場合、美の前にパス、自分らしさの前にコンプレックスからの解放がどうしてもテーマになります。そうした困難を乗り越えた先には、一緒に楽しい世界があることをもっと伝えられるように日々メイクさせていただきます。
ささやかですがギャラリーで一部写真を共有致しますので画像でお楽しみくださいませ。