瞬が語る「女性らしさ」とは何か?

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西原さつきの親友であり、乙女塾交流会でも司会を務めている瞬。

彼女は乙女塾の中でも強い信念と意志の持ち主で、企業での講演会の数も多いです。

昨今、トランスジェンダー女性に関する議論が盛んな中、当事者として一般社会に啓蒙してきた立場としてどう思うのかを聞いてみました。

(聞き手:NAO)

ーー(乙女塾編集部、以下略)トランスジェンダー女性に関する話題が盛んですが、中には厳しい批判も多いです。瞬さんが考える女性の定義をおしえてください。

瞬(以下略) 自認する性別が女性であったら、周りからその認識や理解がなかったとしても、シンプルに女性です。

ーー世の中には社会生活があって、ある程度の女性らしさの規範やルッキズムがあることも指摘されています。

“女性らしさ”は、世の中が勝手に決め付けて広まってしまっただけです。

私達は、自分のために生まれ、生きています。

誰かに受け入れて"いただく”ために、理解をして"いただく”ために、自分の個性や可能性を殺して、別の人間になる必要はありません。

思うままになりたい自分になって、どうか在りたい自分で在って下さい。己を守り抜いてほしいです。

しかし私の考え方は、現実問題、理解が追い付いていない現代社会にはまだ早いのかも知れません。


ーー今、世間ではLGBT法案に関連して、性自認が女性ということを言い張って公共のトイレや浴場に入る人がいるのではないかと、トランス女性がそうした場に入ることに対して反対意見も多く見受けられます。これについてどう思いますか?

トイレや浴場は、すでに様々なセクシュアリティの方が利用しています。

(トランスジェンダーと言い張る男性が犯罪を起こすのでは?という懸念がありますが)犯罪者もセクシュアリティは関係しません。犯罪を起こす可能性で言うと、それは全ての利用者に対して向けられる不信になります。

トランスジェンダー女性で言いますと、性別適合手術をしていなくとも、自認する性別のトイレ・浴場を、本来平等に利用出来ると良いですよね。しかし実際は当事者側も人に体を見られたくない方がほとんどだと思いますし、セクシュアリティが引っかかるライフタイミングでは、ほとんどの当事者の方がわきまえています。

私自身、温泉という人生の娯楽の1つを、中学生で諦めました。

ーー温泉は難しいテーマの1つですよね。個室風呂という手もありますがその分の費用がかかります。また、トランスジェンダー女性は男性トイレ、トランスジェンダー男性は女性トイレを使うべきという意見も見受けられます。

反対をするならば、代わりとなる他の選択肢を考える事までが道理だと思うのですが、対話が出来ていない、しようとも思っていない一方的な反対意見は、分かりやすい社会的弱者を、ただの捌け口にしているだけのように感じて、私自身は気に留めていません。

しかしその言葉で心に傷を負わされている当事者の方もいらっしゃる事を忘れていません。

正しい知識を広めるために、微力ですが、地道に啓蒙活動を続けていきます。

ーー中にはSRSを終えていれば良い、そうでなければダメという論理を持つ人がいます。当事者からもそのような声がありますがどう思いますか?

個人の生き方、セクシュアリティの在り方は、他者が否定出来る事ではないし口を出す筋合いはありません。

戸籍の性別変更など社会的理解のために、既に性別適合手術を受けられた方にとって「私は大変な思いをしたのに」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

ただ今そのようなお考えの方も、“はじまり”の気持ちは同じだったのではないか、とも思います。

そして今も本当は同じだと思います。

ーー実際に講演会活動をしている企業などでは制服やトイレ、更衣室というのはどう考えているケースが多いのでしょうか?

カミングアウトをされている当事者の社員様がいらっしゃるかいらっしゃらないかで、大きく違いがあるかも知れません。

(企業側は)今後、より環境を整えていきたいと考えて下さっています。講演では、同じトランスジェンダーでも、1人1人望んでいる事や求めている事が違うので、個々の対話の重要さをお伝えさせて頂いています。

ーー瞬さん自身を見ていると乙女塾の交流会や講演会とライブの時とプライベートでは立ち振る舞いや服装なども変わると思います。そうしたTPO?の使い分けはどう意識されているのでしょうか?

それぞれの仕事における対相手への”伝わりやすさ”で魅せ方を選んでいます。

乙女塾の交流会では、参加者様にトランスジェンダー女性の方が多くいらっしゃる傾向を予測して、身長や価格などの問題をクリアした、ヒントになるような服装を選んでいます。なので少し万人受けに寄せています(笑)。

講演会では“講話”が主なので、言葉を紡ぎ出す口には強い色を置かないように意識しています。

ライブは私が舵を握った”夢”なので、やりたい事を好きなようにやって、理想を実現します!

プライベートでは、その日に会う人の前で着た事のない服を選ぶようにしています!

ーーありがとうございました。

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