乙女塾に遊びに来てくれたこともある神田くみさんが本を出されたというので早速読んでみることにしました。
『男はスカートをはいてはいけないのか? キャリコン視点のジェンダー論(日本橋出版)』という書籍です。
ジェンダーキャリアコンサルティング協会の神田くみさんと橘亜季さんによる共著です。キャリコンはキャリアコンサルタントの略で国家資格の1つです。学生・求職者・在職者等を対象に職業選択や能力開発に関する相談・助言を行う専門職だそうです。
『男はスカートをはいてはいけないのか? キャリコン視点のジェンダー論』内容はどんな感じ?
目次を見るとこんな感じです。
ジェンダー論とありますが、トランスジェンダーに深く関わっている内容です。何故ならば、ファッションやメイクで男女に大きな違いがみられるからです。ひいてはLGBTQ+、フェミニズム的な要素にも踏み込みつつ、基本を押さえて幅の広い内容を取り扱いながらコンパクトにきちんとまとめられています。
『男はスカートをはいてはいけないのか? キャリコン視点のジェンダー論』書評
本書では、今まで社会では、「管理職男性」「一般男性」「女性」の3種類しかいなかった。キャリア設計もそれを前提にしていたと書かれていました。
いままで、企業内の男性のキャリア育成が注目されてきた時代から、女性の社会進出や管理職の登場、ライフステージにあわせた転職市場の活性化をうけて、持ち運べるキャリア形成が注目されています。昔は、たまに存在する女性管理職のことを「名誉男性」と揶揄していたそうです。嫌ですね。
その一方、就活時の画一的な身なりはまだ続いており、トランスジェンダーはもちろん、シス男性、女性ともその型に収められることが苦しいという人たちが少なくありません。自分たちの経験を鑑みても、面接対策で髪を黒く染めた、画一的なスーツやパンプスを揃えたという人は少なくないでしょう。
就職後は、男性はスーツと決まってるのに、女性は比較的自由なドレスコードで仕事をすることが多いです。それはなぜなのか、この本はその根っこに男尊女卑がまだまだ潜んでいるということを伝えています。
本来、性表現というのは自由なもので、それは表現の自由として憲法で守られています。だから男性が別にスカートを履くことは何の問題もない。もっと言えば、スカートが女性の表現になっているのもおかしな話で。
本書では、ジェンダーニュートラルが叫ばれるようになった時代に、必要なのは自分らしさをきちんともつ「自己肯定感」「自己効力感」だと伝えています。そのためにはまずは「自己理解」が必要だと言っています。
とても読みやすくみんなにオススメしたいです。