女性ホルモンはじめてBOOK発売のお知らせと発刊に寄せて

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3月に発表をした女性ホルモンに関する書籍が完成いたしました。

タイトルは『女性ホルモンはじめてBOOK』になります。

乙女塾新スタジオにて11月よりお買い求めいただけます。また乙女塾通販サイト(今秋冬開設予定)や、イベント等にてお買い求めいただけるように調整中です。

内容は、女性ホルモンをこれから始める方や、すでに始められた方のお悩みに沿ってホルモン治療に関する知識、情報、体験談などをまとめました。漫画、イラスト中心の構成となるため、難しい医療情報をわかりやすくまとめたかたちとなりました。

医療情報はGI学会認定医の2名の医師にご監修いただきました。ちあきクリニックの松永千秋先生、パーソナルヘルスクリニック他の池袋真先生です。

そのため全部で50ページ近くの大ボリュームになりました。

女性ホルモンはじめてBOOK 概要

タイトル:女性ホルモンはじめてBOOK
版型:A5
ページ:45ページ・フルカラー
発行人:西原さつき
医療監修:松永千秋(ちあきクリニック)、池袋真(パーソナルヘルスクリニックほか)
価格:1,000円+税

女性ホルモンはじめてBOOK 目次

・ホルモンって何?
・ホルモン治療を受けるには?
・女性ホルモンを開始した!どうなるの?
・女性ホルモンを続けて
・用語集

・先輩の体験談(ノンホルモンの方もいらっしゃいます)
・ホルモン治療のその先
・西原さつきの経験談Q&A
・監修医師紹介及びコラム

この本では以下の情報は書かれていません
・ホルモンが手に入る通販サイトの固有名詞
・オススメのジェンダークリニック
・可愛くなる方法
・パス度が上がる方法
・ホルモン摂取を賛美して勧めるような内容
・声が高くなるレッスンの内容

ホルモン本発刊の経緯

最初のきっかけは西原さつきのつぶやきからでした。

「ボイスレッスン時にホルモン治療の質問を受けるけれど、そのせいでレッスン時間が削れるが何だか申し訳なく感じる。ホルモン治療に関する本があると良いなあ」

その一言から全てが始まりました。

無いのであれば自分達で作ろう、ということでプロジェクトが始まり、出版の経験者を募り編集部を立ち上げました。生徒さんや裏方メンバーと座談会を開き、経験談を募りました。

医療情報となると、どうしても堅苦しくなりがちです。これからホルモン治療を考える学生世代、若い世代の方にも見やすいものにしたい。西原さつき発案で「少年少女漫画の付録」風に漫画・イラスト中心で進行するスタイルになりました。そのためにキャラクター原案、表紙に夜々零さん、デザイン、漫画にあまねしのぶさんにご依頼をしました。

医療監修に2名の医師がご参加いただき精査を重ね、最終的な完成まで約2年の歳月がかかりました。

編集長NAOより

ホルモン治療に関する医療情報は、論文や学会のような正式な医療の場か、経験者による体験談ベースしかありません。

通常、製材や病気はその知識を広く知らせるために分かりやすいパンフレットや漫画、冊子を医師向け、患者向け、教育機関向けなどに作るのですが、ホルモン製剤は自費治療であり、現時点では性別移行の患者を正式には想定されていません。

(他の病気や製材と同じように)それらを繋ぐ新しいスタンダードを作ろうというのが私たちの試みです。

発表時から当事者内外から賛否両論の意見がありました。

ホルモン療法という題材から「私たちは苦労したのに医療に手軽にアクセスできてしまうのは覚悟という面からどうなのか」「私たちはひっそり生きているので表沙汰に情報を出さないで欲しい」という意見です。

漫画、イラストを中心にというと「本書籍を元にカジュアルにホルモンに手を出すのではないか?」「(自分が認めたくない)偽物が増える」「絵が可愛すぎる」

と言ったご意見が多かったかと思います。

この本は現実的な内容に即し、ホルモンを賛美する内容ではありません。また、ホルモンをやらないという選択をとる方の意見も掲載しています。外見はカジュアルですが、中身はやはり医療の情報ですから現実的なものです。学習漫画のような形でしょうか。

医療情報は論文やガイドラインをもとに松永千秋先生と何度も何度も1ワードずつ見直しました。日本のトランスジェンダーが当たり前にしている常識が正しいかは別問題でした。その間に裁判があり法の世界も、GI(性別不合)のガイドラインも変わっていきました。

また厳しいようですが、この本に美少女になる方法は一切ありません。一方で医師からは暗い内容になりすぎないようにという思いもあり、ダークな部分の表現を柔らかくいたしました。没になった原稿は45リットルのゴミ袋1つ分にまでなりました。

「苦労した一部の人間だけが情報を得る、トランスすべき」、「よくわからないけどホルモンをはじめて大量摂取する」というものを過去の逸話にし、情報がある上で治療を自己責任で選択する時代に。それは他の病気や薬と同じように考えました。

無料にしなかったのは覚悟に対する価値です。印刷代程度でも支払いをいただくことは、治療に対する重さです。将来的にはホルモン治療が保険適応になり、製薬会社さんとともにこのガイドブックを改めて作るような未来があれば望ましいと思っています。

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