イェソン音声センターへカウンセリングを受けに行ってきた

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声帯短縮術で有名な韓国のイェソン音声センター(以下、イェソン)へ行ってきました。

コロナ禍で日本語対応がお休みしており、しばらくの間は英語や韓国語でしかやり取りができませんでした。しかし2023年夏に改めてメールをいただき、日本語通訳のMikiさんという方が復帰したというご挨拶を頂きました。

それを機にやり取りをするようになり、昨年12月手術をする方に同行して、私自身もカウセンリングを受けました。

イェソンってどこにあるの?

イェソンは韓国ソウルの江南区にあります。中でも歴史がある病院が多い清潭洞地域にあり、近くには眉骨を削ることで有名なK-artなどもあります。

詳しい方にお伺いしたところ江南駅や新沙駅の方にあるのは新興の病院らしく、清潭洞にはイェソン含めて名門の病院が立ち並んでいるそうです。

ビル1つがイェソン音声センターになっており、主に4F、2Fがお世話になる場所になります。

地図はこちらです。DIORカフェや清潭近隣公園が近くにあります。

イェソンの手術方式

声帯を短縮することで男性の低い声を高い女性らしい声にする手術を行うことで有名です。

声帯短縮をする方法はこれまで3種類(甲状腺軟骨接近術IV型、ウェンドラー式、甲状軟骨及び声帯襞縮小術)があり、それぞれの病院で選択されている方法が違います。それぞれの手術には、良い点と悪い点があります。

イェソン音声センターはその3つとも違う独自のVFSRAC(声帯短縮術)というやり方で筋肉を残し声帯を微調整した後に糸で縫い合わせて短くするやり方です。

男性の声帯は約1.5~2cm、女性の声帯は約1~1.5cmの長さです。そのため、声帯の長さを縮めてあげることで女性らしい声帯になります。声帯の長さそのものを変えるやり方はほかにウェンドラー式がありますが、レーザーで癒着させるウェンドラー式と違いイェソンの方が声帯のハリがでると診察の際におっしゃってくれました。ハリがでることで高さだけでなく自然な声が出せるそうです。

手術でよくなること

女性のような声帯になることで声のヘルツが自然と高くなります。平均上昇は70Hzで高いグループでは100Hz以上あがることもあるそうです。

なお、イェソン音声センターさんでは男性100-150Hz、女性220-250Hzと定義しておりました。

ということは術前が90Hzですと平均の70Hz上昇では160Hzで中性的な声にまでしか行きません。術前後にきちんとボイストレーニングをすることはとても大事になります。手術の際には先生から1年以上ボイストレーニングを続けること、と言われます。

イェソン音声センターの症例を見ると、術前は120~150Hzほどの人が多いようです。どなたも、とても自然な女性らしい声になっていて憧れますよね。

手術当日~翌日

術前は一部食事制限がありますが、手術に際して特段厳しいものではありません。

手術時間は1時間程度で全身麻酔で行います。

入院は日帰りです。朝に病院へ行き夕方に帰る形になります。上記画像が入院する部屋になります。個室になっておりいくつかの部屋があります。

声帯を手術していますので術後(数日間)はタンとの戦いになります。しかし、タンは吐き出さずに飲み込まなくてはいけません。そのために処方薬をたくさん飲むことになります。

ダウンタイム

イェソン音声センターの手術はとても素晴らしいものですが、一方としてダウンタイムのきつさがあります。特に厳しいのは、術後一カ月は発声禁止。1-2カ月目も発声禁止(1日1,2言なら話して良い)があることです。

咳やくしゃみをするときは声を出さずに空気だけで行ってくださいとのこと。

歌は3-6か月後から先生の許諾を得れば可能になります。歌を歌えるかどうか、というのは手術の際に気になさる方もおりますが、これだと安心ですね。

術後も食事制限あり。香辛料(辛い物、しょっぱいもの)漢方の材料の一部(鹿の角、朝鮮人参など)不可。ということは、漢方薬が一部飲めません。

ボイストレーニング

何より大事なことは、術前にボイストレーニング、また、術後二カ月から一年ボイトレが必須になります。これについてキム・ヒョンテ先生は「私たちはグランドピアノを用意するが、それをひくのは患者さん」ということをおっしゃっておりました。

特にMtFトランスジェンダーの場合は、それまでに男性の声帯で女性様の声を出すために特別なトレーニングをしていますが、新しい声帯術後の女性の声帯に“ふさわしい女性としての発声で合わせて”しゃべることになれることを求められます。

そして、ボイストレーニングのやり方は術後翌日の診察で習うことができますが、3か月後に来院して再確認することもできるそうです。

Skypeによるオンライン診療も対応しておりますが、現地で見てもらいたいという方も多いと思うのでこれは安心できますね。

費用

8,800ドル(日本円にして約1,284,360円)※術後のボトックス代込み
支払いは米ドルまたは韓国ウォンになるので注意が必要です。現金、クレジットカードどちらも可能です。TAX REFUNDはありません。

空きがある場合は、ホテルから病院、病院から空港の送迎が1部つきます。もしくはタクシー代の補助がでます。

感想

声系のカウセはこれで3院目ですが、とても丁寧に見てもらえるのはどこの病院も同じです。院長先生はとてもやさしく穏やかに自分の声の良いところ、ダメなところなどを教えてくれます。

また、通訳のMikiさんは日本語がとても上手です。ネイティブかと思ったぐらいです。韓国の医療はレベルも高いのですが、こうした医療に答えはないものです。細かなニュアンスが伝わるのかどうか、美的な感覚を伝えられるか、伝わるまで医師と時間をかけてやり取りをしてくれるかに関して不安がある方も多いでしょう。

この点に関しては、心配はいらないです。本当に丁寧に1つ1つ行ってくれました。淡々としながらも、長い質問、たくさんの質問でも答えてくれたのでとても安心感がありました。

声の手術が難しいのは、どんな術式でも発声禁止の期間が大なり小なりあることです。

イェソン音声センターの場合はその中でもダントツで2カ月間無音で生活しないといけません。通常の社会人ですと2カ月間休みをまとめてとって受けに行くことができるかどうかが大きなハードルになります。また、費用が他の病院の手術方式と比べても高いです。

つまり、高級だが最上級の結果が得られる可能性を追い求める方、そしてそれだけの手術に合わせて自ら努力ができる方には特に向いていると感じました。

(この記事は個人の感想を含みます。しかし、イェソン音声センターが医療的に正しい情報かどうかチェックを行っていただき、修正を反映した上で投稿を行っております。)

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